- 気密・断熱
- 2025.7.3
Contents
高気密高断熱住宅が夏に涼しい理由
高気密高断熱住宅は、外気温の影響を受けにくい構造が魅力です。夏の猛暑を和らげるには、室内の熱をできるだけ取り込まない工夫が必要になります。ここでは、その具体的な理由を見ていきましょう。
夏の室内環境における断熱と気密の役割

引用元:一条工務店
高気密高断熱住宅は、壁や屋根、床などの断熱性能を高めることで外からの熱を伝わりにくくします。同時に、気密性を高めることで隙間風を防ぎ、外気の侵入も遮断します。
これにより、夏場の室温上昇を遅らせる効果が期待できます。また、室内の冷気を外へ逃がしにくい点も重要です。ハウスメーカーによって断熱材の種類や施工方法が異なりますが、高性能な断熱材や正確な施工管理を行う企業を選べば、夏の快適性をより確実に手に入れられます。
快適性向上と家族の健康メリット

高気密高断熱住宅では、室内温度が一定に保ちやすいため、極端な温度差による体力消耗や睡眠の質低下を防ぎやすくなります。
特に小さなお子さまや高齢者は、熱中症リスクを減らせるのが大きなメリットです。また、断熱材や窓の性能を高めると結露が発生しにくいため、カビやダニの繁殖を抑えられます。これにより、アレルギーや気管支系のトラブルを軽減し、家族みんなが健康的に暮らせる住環境を実現できます。
光熱費削減への具体的効果

引用元:一条工務店
夏場はエアコン稼働の時間が長くなりがちですが、高気密高断熱住宅であれば冷気を外に逃がしにくいので、設定温度を極端に下げる必要が減ります。
一定の涼しさをキープしやすいため、エアコンのオンオフを繰り返さずに済むケースも多いです。その結果、電気代などの光熱費を抑えられ、長い目で見れば住宅ローン返済の負担も軽減できるでしょう。ハウスメーカーを選ぶ際には、どれくらいの省エネ性能を保証しているかをチェックすることが大切です。
設計段階で取り入れるべき夏の快適化対策
家づくりを計画中の方は、夏の暑さをどう抑えるかを設計段階から考慮するとより効果的です。ここでは、具体的な工夫をいくつか挙げてみます。
日射遮蔽機能付き窓・ひさしの選び方

引用元:国土交通省
夏の強い日差しを抑えるには、遮熱ガラスやLow-Eガラスといった日射遮蔽機能付き窓が効果的です。こうした窓を使うことで室内への熱の侵入を減らし、エアコンの消費エネルギーも抑えられます。
窓の外側に適切な長さのひさしを設けると、夏場は太陽光を遮り、冬場は角度の低い太陽光を取り込めるよう設計できます。ハウスメーカーによっては、地域の気候や敷地条件に合わせてひさしの大きさをシミュレーションしてくれるところもあるので、気になる方は相談してみてください。
すだれ・シェード・ブラインドの活用

窓から侵入してくる熱を手軽に抑えたい場合は、すだれやシェード、ブラインドを活用する方法がおすすめです。特に外付けシェードは、太陽光がガラスに当たる前に遮るため高い遮熱効果を発揮します。すだれは風を通しながらも強い日差しをブロックできるため、昔ながらの知恵を活かした簡易的な方法として人気です。室内側に取り付けるブラインドやロールスクリーンなら、デザイン性と光の調整を同時に楽しめます。
DIYでできる暑さ対策のポイント

夏の暑さ対策は、設計や施工レベルだけでなくDIYでも十分取り組めます。たとえば、窓ガラスに貼る遮熱フィルムを使えば、ある程度の赤外線を反射し室内温度の上昇を抑えられます。
扇風機の置き方を工夫して室内の空気を循環させるのも効果的です。ベランダや玄関先にグリーンカーテンを設置すると、植物が日光を吸収し気化熱を発生させるため、見た目にも涼やかな空間を演出できます。
気軽に家づくりの相談をしたい方
住宅の専門家へ相談モデルハウスを選んで気軽に相談!
直接ハウスメーカーの担当者へ相談湿度コントロールと換気
夏の住まいを快適に保つには、温度だけでなく湿度の管理も大切です。高気密高断熱住宅では、適切な換気計画も欠かせません。
除湿機やエアコン除湿機能の使い分け

湿度が高いと、人は気温以上に暑さを感じやすくなります。エアコンの除湿機能は室内温度をあまり下げずに湿気を取り除くので、寒くなりすぎないメリットがあります。
一方、除湿機は場所を選ばずピンポイントで湿気を吸収できますが、室温が多少上がりやすいのが難点です。家族構成や部屋数によっても使い勝手は変わるため、ハウスメーカーとの相談でどの機器をメインにするか、コンセント配置も含めて検討しましょう。
適切な換気で快適空間を維持

高気密高断熱住宅では、隙間が少ない分だけ自然換気が期待しにくいです。そのため、設計段階から熱交換型の機械換気システムを導入するなど、計画的に空気の入れ替えを行うことが重要です。
適切に換気を行うと、室内にこもりがちな湿気や汚れた空気を排出でき、カビやダニの発生リスクも抑えられます。通気経路を考慮した間取りにしておくと、窓を開けたときに風が通りやすく、エアコンだけに頼らない快適な暮らしを実現できます。
あなたにピッタリ合うハウスメーカーとモデルハウスがみつかる!
モデルハウス検索はこちらエアコンの上手な活用方法
高気密高断熱住宅は少ないエネルギーで冷暖房を効率よく行えますが、エアコンの使用法を工夫することで夏の快適性をさらに高められます。
設定温度と運転モードの最適化

まず、エアコンの冷房運転と除湿運転を上手に切り替えることが基本です。
例えば、室内が蒸し暑いと感じるときは、温度を下げるより先に除湿モードを試してみるのがおすすめです。
また、設定温度を24~28℃程度の範囲で調整することで、冷やしすぎによる体調不良や電気代の増加を防げます。室内温度計や湿度計を設置して、客観的な数値を基準にエアコンを使うと効率的な運転が可能です。
エアコンをつけっぱなしにするメリット・デメリット

高気密高断熱住宅では、冷房効果が長く持続しやすいため、つけっぱなし運転にしたほうが電気代を抑えられるケースがあります。
ただし、冷気を維持しやすいからといってエアコン設定を低くしすぎると、かえって消費電力が高まり、体調も崩しやすくなるかもしれません。実際の消費電力量は間取りや家族構成、エアコンの機種によって異なるので、「必要台数の目安」で紹介しているように自宅環境に合った使い方を検討してください。
必要台数の目安

一般的には、リビングと寝室に1台ずつエアコンがあると快適に過ごしやすいですが、高気密高断熱住宅の場合は1台でも広い空間をカバーできる可能性があります。
部屋数が多い場合には、冷房を必要とする時間帯が重なる寝室や子ども部屋を中心に検討しましょう。ハウスメーカーのモデルハウスを見学する際は、間取りとエアコン配置を実際に見比べてみるとイメージしやすいです。
気軽に家づくりの相談をしたい方
住宅の専門家へ相談モデルハウスを選んで気軽に相談!
直接ハウスメーカーの担当者へ相談夏に涼しい家を選ぶためのハウスメーカー比較ポイント
高気密高断熱住宅でも、実際に夏涼しく過ごせるかはハウスメーカーごとに異なります。ここでは、断熱材や窓仕様の違い、換気計画、施工実績などの見極め方を解説します。
断熱材や窓仕様の違いを見分けるポイント

引用元:SUUMO
断熱材には素材や厚み、施工方法で性能が大きく変わります。例えば、グラスウールはコスト面で優れていますが、施工精度が悪いと隙間が生じやすい点に注意が必要です。
一方、硬質ウレタンフォームやセルロースファイバーなどは住宅全体に隙間なく充填しやすく、高断熱性を発揮しやすいのが特徴です。また、窓についてはLow-E複層ガラスや樹脂サッシを採用することで、夏の暑さや冬の寒さを大幅に軽減できます。
ハウスメーカーに依頼するときは、断熱材の具体的な厚みと窓の性能数値(U値など)を確認し、比較してみましょう。
換気システムとエアフロー設計の重要性

引用元:セキスイハイム東海
いくら高断熱でも、換気計画が不十分だと湿気や熱気がこもり、夏場はムッとした不快感につながります。ハウスメーカーによっては、熱交換型の24時間換気システムを標準採用している場合もありますが、その設計がきちんと行われているかが重要です。
室内空気の流れ(エアフロー)を計算しないと、特定の部屋に熱が溜まったり、涼しい空気が届かないゾーンが生まれたりします。パッシブ設計を取り入れているハウスメーカーなら、風の通り道や立地条件を考慮した最適なプランを提案してくれるでしょう。
施工実績で比較するチェックリスト

実際に夏涼しい家を建てるには、施工の確実さも大切です。どれほど高性能な断熱材や窓を使っても、施工精度が低いと効果が十分に発揮されません。ハウスメーカーを比較する際は、過去の施工数や地域特性への対応力、アフターサービスの充実度などをチェックしましょう。
完成見学会やオーナー宅訪問を受け付けているメーカーなら、リアルな室内温度や湿度を体感しやすいのでおすすめです。また、地元工務店との提携実績があるメーカーなら、細かなカスタマイズやアフターケアにも期待できるでしょう。
あなたにぴったり合うハウスメーカーとモデルハウス検索
理想の家づくりを考えるとき、多くの人が「どこのメーカーがいいのか分からない」「近くにどんなモデルハウスがあるか知らない」といった悩みを抱えます。そこで便利なのが、条件を選択するだけで自分に合ったハウスメーカーやモデルハウスが表示される検索サービスです。地域や予算、デザインの好みはもちろん、断熱性能の重視度など、細かな条件を設定できるため、夏に涼しく過ごせる家づくりへのヒントが得られます。自宅にいながら検索し、気になるモデルハウスを一括でチェックできるのは大きなメリットです。
あなたにピッタリ合うハウスメーカーとモデルハウスがみつかる!
モデルハウス検索はこちらよくわからない時は住宅の専門家へ相談するのがおすすめ!

「どのハウスメーカーを選べばよいか分からない」「複数社から具体的な話を聞いてみたい」という方は、住宅専門家に相談するのも一つの手です。中立的な立場で、希望のプランや予算をヒアリングし、最適なハウスメーカーを紹介してくれます。実際に担当者と直接つないでくれるサービスなら、営業担当との相性も事前に確認できるため、スムーズな家づくりが期待できます。また、夏の快適さを重視した提案を受けたい方は、その旨を専門家へ伝えておくと具体的なプランを立てやすいでしょう。
気軽に家づくりの相談をしたい方
住宅の専門家へ相談モデルハウスを選んで気軽に相談!
直接ハウスメーカーの担当者へ相談まとめ
高気密高断熱住宅は、夏の暑さを抑えながらも室内を快適に保つことができる、非常に魅力的な住まいです。ポイントは、日射を遮り、断熱性と気密性を存分に活かしてエアコンの負担を減らすこと。さらに、湿度コントロールやこまめな換気を実施すれば、結露やカビの発生も抑制できます。
エアコンの運転方法を工夫することで、光熱費を節約しながら健康的な生活環境を実現できるでしょう。設計段階からの対策をしっかり行い、実際にハウスメーカーの提案やモデルハウスを体験することで、理想の夏を快適に過ごせる住まいづくりを目指してみてください。
この記事に関連したよくある質問
- 真夏でもエアコンなしで涼しく過ごせますか?
-
高気密高断熱住宅は外気の熱を伝えにくい構造ですが、真夏の猛暑日には窓などからの放射熱が室温を上昇させることがあります。そのため、エアコンを全く使わないのは厳しい場面もあるでしょう。とはいえ、「設計段階で取り入れるべき夏の快適化対策」のように日射遮蔽を徹底すれば、使用時間を大幅に短くできる可能性があります。
- 高気密高断熱住宅は結露リスクが高まりますか?
-
密閉性が高い住宅では、正しい換気が行われていないと湿気がこもりやすく結露リスクが上がるのは事実です。ただし、「湿度コントロールと換気」で紹介したように機械換気や除湿機能をしっかり活用すれば問題は解消できます。むしろ適切な施工と換気があれば結露は減らせます。
- 高気密高断熱住宅は体調に悪影響がありますか?
-
高気密高断熱住宅だからといって体調不良を起こすわけではありません。むしろ外気温変化を室内に伝えにくいので、熱中症や風邪のリスクを軽減できます。ただ、冷房を使いすぎて室温差が大きくなると体がだるくなるケースもあるため、「設定温度と運転モードの最適化」を参考に、無理のない温度設定を行いましょう。
- エアコンは何台必要ですか?
-
住宅の広さや部屋の数により必要台数は異なります。高気密高断熱住宅は空調効率が高いので、通常の住まいよりも少ない台数で済むことが多いです。詳しくは「必要台数の目安」をご覧いただき、ご家族の生活パターンや利用頻度に合わせて検討してください。