断熱性が高い住宅のメリットとは？快適で省エネな暮らしを実現する方法

断熱性とは？　住宅における断熱性能の基本

続いては、気密性と切っても切り離せない「断熱性能」に関しての、基礎知識を紹介していきます。

断熱性の定義とは？

引用元：https://www.ichijo.co.jp/technology/element/insulation/

断熱とは、読んで字のごとくではないですが。「熱が伝わらないようにすること」を言います。主に住宅の内壁と外壁に断熱材を入れたり、遮熱性のあるサッシ（窓ガラス）を使用したりすることで断熱性を高められます。高断熱の家は外からの熱が直接伝わらないので、室内の温度が外気温からの影響を受けにくくなります。

断熱性能は、気密値のC値同様、「UA値＝（外皮平均熱貫流率）」という値で示されます。

住宅内部の熱は、外皮（屋根や外壁、床、窓やドア等の開口部など建物の表面）を伝わり、住宅の外へと逃げていきます。UA値（外皮平均熱貫流率）は、外皮を介して住宅全体の熱がどれくらい逃げやすいかを示す数値です。UA値が小さいほど熱が逃げにくく、断熱性能の高い住宅であることが分かります。逆に、UA値が大きいということは、断熱性能が低い住宅であるということです。

断熱性が高い住宅の仕組み

引用元：https://suumo.jp/article/oyakudachi/oyaku/chumon/c_knowhow/dannetsuzai/

ここからは少し専門的な言葉もあり、少しわかりにくいかもしれませんが、断熱性が高い仕組みについて解説します。

高断熱の住宅とは、気体＝（空気）の断熱性能を利用して熱の移動を抑えます。そして断熱性を高めるには、「断熱材」を主に使用します。

「断熱材」の種類には、原料の違いで大きく分けて３系統に分けられます。

ガラスを主原料とするグラスウールやロックウールの「鉱物系」

ポリスチレンフォームやウレタンフォームの「石油系」

セルロースファイバーやウールの「自然系」

の３つがあります。

この断熱材は、外壁・内壁・床下・天井裏など住宅のあらゆる部分に使用されます。

断熱材の種類に関しては、20種類以上もあると言われ、それぞれに特徴があります。

こちらでは、代表的な断熱材をご紹介しますので、参考にされてみてください。

断熱性が高い住宅のメリット

では具体的に、住宅の断熱性を高めるとどのようなメリットがあるのかを見ていきましょう。気密性の部分と重なるものもありますが、ご紹介していきます。

1. 冷暖房費が安くなる

引用元：https://www.mlit.go.jp/shoene-jutaku/economic-benefits/energy-bills/index.html

高気密のメリット同様、断熱性を高めることは、気密性が高まることと比例しており、外部と内部の空気と熱の出入りを抑え、家全体の隙間を少なくしている状態になります。隙間が少ないと、室内の空気が外に漏れにくく、外の空気が室内に入りにくいため、断熱性能が保たれます。

室内と屋外の気温差を維持するだけでなく室内の空気が漏れにくく外気も侵入しにくいため、冷暖房効率がアップし光熱費の節約が期待できます。高気密・高断熱住宅は冷暖房費の削減が可能です。

昨今の主流である、「スマートハウス」のマネージメントシステムと相性が非常によく、スマートハウスを検討されている方は是非、高気密・高断熱についても知識を深めるといいでしょう。

2. ヒートショックを予防できる

引用元：https://www.mlit.go.jp/shoene-jutaku/health-effects/index.html

こちらも気密性と同様、お部屋間の温度差が小さくなることで、室内の温度差が少なく、体への負担を軽減することになります。例えば、昔ながらの日本の家屋や断熱性の低い住宅では、「リビングは温かいのに廊下にでると、とても寒くなる。」「人のいる一階は温かいのに、二階に上がると一気に冷える。」「ましてや裸になる浴室に至っては、もっと気温の差が大きい。」なんてことを経験したことがある方も少なくないのではないでしょうか？

断熱性の高いお家では、室内の温度差が一定になり、お部屋間の気温差が小さくなるため、ヒートショックのリスクも回避でき、高血圧の緩和や健康リスクの低減効果が期待できます。

3. 快適な室内環境を実現できる

引用元：https://www.ichijo.co.jp/technology/element/insulation/

こちらも重ねてにはなりますが、高気密・高断熱の家は、1年を通して快適な温度を保ちやすいため、外気の影響を受けにくく、快適な室内の温度が外に逃げにくいので少しの冷暖房で部屋を長時間快適な温度を維持できます。

真夏に外が暑くても室内温度は影響を受けにくいため、エアコンが効きやすく、涼しさを保つことができます。また、冬も室内の暖かさが外へ漏れにくいことから、室温をキープしやすくなっています。

また、高気密・高断熱住宅は外気からの無駄な「湿気」の流入が少ないため、梅雨時期は特に湿気の少なさを感じます。さらには洗濯物がよく乾きます。エアコンや全館空調を使用するため空気が乾燥し、梅雨の時期や花粉症の季節など洗濯物を部屋干したい時に、よく乾くことは大きなメリットです。

断熱性の高い住宅を実現する方法

では具体的に、断熱性能を高めるためにはどのような方法があるのかをご紹介していきます。

断熱材の種類と選び方

引用元：https://www.ichijo.co.jp/technology/element/insulation/

前段の断熱性の部分にてポイントを解説しましたが、断熱性能を高めるためには、やはり「断熱材」が不可欠になります。そして断熱材の選定ポイントとしては、北海道のような北国に住むのか。あるいは九州のような比較的温暖な南エリアに住むのかなど、住む地域やエリアによっても断熱材選びは変わってきます。

断熱性の高い住宅を実現するには、外壁や床下、天井裏などに断熱材を詰めるなどの方法があり、断熱材の種類はさまざまあります。

住む地域やご予算などによって色々な種類の断熱材を比較し、検討してみることをおすすめします。

ハウスメーカーや住宅展示場では、断熱材の種類や特徴などをわかりやすく説明してくれますので、気になる方はお近くのハウスメーカーや住宅展示場に行って相談するのもいいでしょう。

お急ぎの場合でしたら、この動画の概要欄に詳細を貼っていますが、

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断熱性を高める施工チェックポイント｜（主に外壁・床下・天井裏の断熱を強化）

効率的な断熱施工は、施工精度と材料選びが鍵になります。こちらでは効率よく断熱性能を高める施工方法を一部ご紹介します。

１．施工の隙間を徹底的に防ぐ

・断熱材のカットサイズを正確に測定し、隙間ができないように施工しているか

・シール材やテープを使用して接合部分を密閉しているか

・窓や配管周りなどの細かい部分も断熱材でカバーしているか

２．外断熱と内断熱の併用

・外断熱を採用することで、構造材全体を包み込み、ヒートブリッジ（熱橋）を防ぐ

・内断熱と組み合わせることで、さらなる断熱性能を向上

・湿気対策として通気層を設ける

３．気密性の向上

・建物全体の気密性を高めるために、防湿シートや気密シートを適切に施工

・シートの接合部分に気密テープを使用して隙間を防ぐ

・C値測定（気密測定）を行い、施工後の性能を確認

４． 天井・床下の断熱強化

・天井部分は熱が逃げやすいため、高性能断熱材を使用がおすすめ

・床下は基礎断熱を採用し、冷気の侵入を防ぐ

・床下換気口の適切な管理で、湿気を防ぎながら断熱性を高める

５． 窓や開口部の断熱

・二重窓やトリプルガラス窓を採用

・窓枠には断熱性能の高い素材（樹脂やアルミ樹脂複合）を使用

・窓周りの断熱材や気密テープをしっかり施工

６． 定期的なチェックとメンテナンス

・施工後も断熱材の状態を定期的に確認

・劣化や損傷が見られた場合は迅速に補修

断熱性が高いことのデメリットは？

では逆に、住宅の断熱性を高めるとどのようなデメリットがあるのかを見ていきましょう。

1. 初期コストが高くなる可能性

引用元：https://www.ichijo.co.jp/technology/element/insulation

こちらも気密性の部分にて触れましたが、

高気密・高断熱住宅は、断熱材や気密テープ、遮熱性の高い窓ガラス（サッシ）などの建築資材や設備を導入する必要があるため、通常の住宅に比べて建築する際のコストが高くなりやすい傾向にあります。

断熱材にはグラスウールやセルロースファイバーなど、さまざまな素材のものが使われます。一般的に、価格の安い断熱材は断熱効果を確保するために厚さが必要になり、その分、壁が厚くなります。その厚みを活かして出窓をつくるなどの楽しみや工夫もできますが、壁が厚くなると余分な隙間が増えてしまうのも難点になります。そして、壁の内部が熱くなると「内部結露」が発生する可能性もあります。

これから長く住むことになるマイホームですので、初期コストや生涯コスト、暮らしやすさなどを十分考慮した上で、断熱材などの選択を行いましょう。

2. 適切な換気が必要

引用元：https://www.816t.jp/buying-guide/ventilation/

こちらも気密性の部分でも解説しましたが、高断熱・高気密の住宅では、室内に空気が溜まりやすいため、化学物質やハウスダストが留まる可能性があり、シックハウス症候群を防ぐためにも十分な換気をすることが重要です。24時間換気システムに頼るだけでなく、窓を時々開けるという換気方法も大変有効です。換気について常に意識しておくことが大切です。

また、石油ストーブの使用にも注意が必要です。石油ストーブを稼働させると、水分とともに二酸化炭素や有毒な燃焼ガスが発生するため、どんな住宅においても1時間に1回程度、窓を開けての換気が必要とされています。

高断熱・高気密な家では、外気が入りにくいためストーブの燃焼に必要な酸素が不足して不完全燃焼を起こし、一酸化炭素中毒を引き起こす可能性が高くなります。

また、24時間換気の換気量ではストーブにより発生するガスの排出には足りないこと、そして窓を開けて換気をすることでせっかく暖まった室内の空気を外に逃がすことになり、高断熱・高気密の利点を生かせないことから、石油ストーブの使用はあまりおすすめできません。

まったく使えないというわけではありませんが、健康被害をもたらさないためにも、換気を意識的に行うか、他の暖房器具（エアコン）を使用するのがよいでしょう。

断熱等級とは？高いとどうなる？

断熱等級の基準と意味

引用元：https://suumo.jp/article/oyakudachi/oyaku/chumon/c_knowhow/dannetsutokyu/

断熱等級とは、国土交通省が定めた住宅の断熱性能を示す指標で、正式名称は「断熱等性能等級」です。

断熱等級は、住宅の省エネ性能を表す等級で、1～7の7段階に分けられています。数字が大きいほど断熱性能が高く、エネルギー効率の良い住宅であることを示します。

断熱等級は、住宅の外皮（屋根、天井、壁、床、窓、ドアなど）の断熱性能や日射遮蔽性能などを表す「UA値」と「ηAC値」という2つの数値で決定されます。

断熱等級が高い住宅のメリット

断熱等級が高い住宅には、次のようなメリットがあります。

・室内の上下温度差が少なくなり、冬は暖かく夏は涼しい

・エアコンを効率的に使用できるため、節電・節約につながる

・ヒートショックのリスクが軽減される

断熱性が高いハウスメーカーはどこ？

断熱性能に優れた住宅メーカーの特徴

※一般的に、気密値断熱値の数値が高い一条工務店さんの場合

引用元：https://www.ichijo.co.jp/technology/element/insulation

断熱性能に優れた住宅は、一般的な住宅や他の性能重視の住宅（耐震性、耐火性など）と比べて以下の点で優れています。

1. 気密性: C値（隙間相当面積）が1.0以下の住宅が多く、隙間がほぼない設計。
2. 断熱性: 外気温の影響をほぼ受けず、室温が均一に保たれる。
3. 耐久性: 使用される素材が高品質であるため、長期的に性能が維持される。

例えば、一般住宅では冬の暖房を頻繁に使わないと室内が寒くなるのに対し、高気密高断熱住宅では最低限の暖房で十分暖かさを維持できます。これにより、長期的な維持費も抑えられる点が注目されています。

高気密高断熱の効果はいかがでしたか？ぜひ自分にピッタリ合うモデルハウスを探してみてください！以下から簡単に検索できます。

ハウスメーカー比較ポイント

高断熱住宅を建てる際には、信頼できるハウスメーカーを選ぶことが成功の鍵です。特に、以下のポイントを確認することが重要です。

1. 施工実績: 気密性や断熱性に特化した住宅の施工経験が豊富かどうか。
2. 保証内容: 気密性能や断熱性能について保証が付いているか。
3. 使用素材: 高性能な断熱材や窓を採用しているかどうか。

例えば、施工実績が多いメーカーは、技術的なノウハウが蓄積されており、施工ミスを減らすことが期待できます。また、保証内容が充実していれば、万が一の不具合にも対応してもらえる安心感があります。これらのポイントをもとに、メーカーを比較検討しましょう。

気密性が高いとどんなメリットがある？

気密性に関しては、お家の隙間をいかに無くすかが気密性の高い家になるためには必要不可欠な要素になります。そして気密と断熱はセットにして考え、気密性能を高めるということは、必然的に断熱性能も高まるということになります。

いかにお家の「隙間」をなくし＝（イコール）「気密性を高め」、

いかにお家の「熱を伝わらなくし、熱を外に逃さないか」＝（イコール）「断熱性を高める」かが、高気密・高断熱の実現には不可欠ということになります。

そして気密性が高まることで、「省エネ効果」「ヒートショック防止効果」など住環境においても健康面においてもメリットがあります。

まとめ｜断熱性の高い住宅で快適な暮らしを手に入れよう

いかにお家の「熱を伝わらなくし、熱を外に逃さないか」＝（イコール）「断熱性を高める」かが、高気密・高断熱の実現には不可欠ということを解説してきました。

また、断熱性だけでなく、気密と断熱はセットにして考え、気密性能を高めるということは、必然的に断熱性能も高まるということになります。

高断熱性と高気密性に関しては、「省エネ」「ヒートショック予防」「夏は涼しく冬は温かい」「結露防止」など様々なメリットがあります。是非快適な暮らしを手に入れましょう。