- 地震に強い家・耐震
- 2025.6.18
Contents
各ハウスメーカーの耐震性と特徴

セキスイハイムの耐震性能
セキスイハイムの耐震性能は、標準仕様で耐震等級3を取得でき、業界初の複合型耐震理論(ハイブリッド耐震)を採用しています。
セキスイハイムの耐震性能の特徴は次のとおりです。
- 強固な鉄骨ユニットと高性能耐力外壁で構成された構造躯体
- ユニット同士をハイテンションボルトで強力に接合した構造
- 基礎とユニットをアンカーボルトで接続し、地盤に力を逃す構造
- 地震の衝撃を吸収する強固な外壁
- 工場生産による高精度な組み立てと厳しい管理体制
セキスイハイムの耐震性能の実証には、実物大の住宅での耐震実験や被災地のハイムの調査などが行われています。
さらには、被災地の住宅でも地震に耐えた実績があります。
ダイワハウスの「xevoΣ(ジーヴォ シグマ)」

ダイワハウスの「xevoΣ(ジーヴォ シグマ)」は、同社の鉄骨造住宅シリーズの一つで、高い耐震性と開放的な空間設計を特徴としています。倒壊しない「持続型耐震構造」を採用しており、地震エネルギーを効果的に吸収する「エネルギー吸収型耐力壁」や強固な基礎構造により、優れた耐震性能を実現しています。
また、独自のテクノロジーにより、天井高2.72メートルの大空間や広い会話を可能にし、開放感のある居住空間を提供しています。
さらに、外張り断熱工法を採用し、家全体を高断熱・高気密化することで、省エネ性能や快適性も追求しています。
これらの特徴により、「xevoΣ」は強さと快適さを前提とした住まいを提供しています。
鉄骨構造「xevoΣ」は震度7クラスの地震にも繰り返し耐える設計になっています。
ヘーベルハウスの特徴

ヘーベルハウスは、重量鉄骨造を採用しており、耐震等級3を取得しています。ヘーベルハウスの耐震性能のポイントは次のとおりです。
- 制震装置の標準搭載
- 軽量気泡ALCコンクリート・ヘーベルを採用した外壁材
- ハイパワード制震ALC構造、ハイパワードクロス、剛床システムなどの制震面
- オイルダンパー制震装置「サイレス」
- 重鉄制震・デュアルテックラーメン構造
- ロッキング工法による外壁の取り付け
ヘーベルハウスの耐震性能は、過去に起きた地震を再現できる施設「E–ディフェンス」による実験で証明されています。
積水ハウスの技術力

「シーカス(SHEQAS)」と呼ばれる独自の制震技術で積水ハウスの軽量鉄骨住宅に採用されている制震システムです。シーカス(SHEQAS)は、積水ハウスが提供する国土交通大臣認定の制震システムです。地震の揺れを熱エネルギーに変換して吸収することで、建物の変形量を約半分に抑えます。
シーカスは、耐震構造の耐力壁の一部を「シーカスフレーム」に置き換えることで実現されています。シーカスフレームには、特殊高減衰ゴムが内蔵された「シーカスダンパー」がK型に組み込まれています。
シーカスは、震度7クラスの大地震や繰り返しの地震にも効果を発揮します。実大モデルによる振動実験では、入力波最大速度160カインという巨大地震を想定した揺れでも倒壊することなく、外壁の割れ・脱落も確認されています
引用元:https://www.g-mark.org/gallery/winners/9dad296e-803d-11ed-af7e-0242ac130002
三井ホームの耐震構造
三井ホームが開発した耐震性に優れた住宅の構法「プレミアム・モノコック構法」は、枠組壁工法(ツーバイフォー)をベースに、三井ホーム独自の技術を加えたモノコック構造で、高い耐震性と断熱性を備えています。
三井ホームでは、オリジナル開発のDSP(ダブルシールドパネル)、BSW(ブロック・アンド・シームレスウォール)、TF(トラスフロア)、MS(マットスラブ)、それぞれの技術を結集させたオリジナル構法になります。災害、四季の変化、時の経過にも耐える安心の住まいを実現します。耐震実験では、震度7の揺れに60回連続で耐えるなど、過酷な条件でも驚異的な耐震性を実証しています。

引用元:https://homes.panasonic.com/sumai/technology/taishin/taishin_f.html
パナソニックホームズの安全設計
パナソニック ホームズの耐震性能は、超高層ビル建築にも使用される「座屈拘束技術」や「アタックフレーム」などの構造技術によって、地震に強い家づくりを実現しています。
パナソニック ホームズの耐震性能の特徴は次のとおりです。
- 超高層ビル建築にも使用される「座屈拘束技術」を採用している
- 引張や圧縮にも耐えられる耐震性を有している
- 繰り返す大地震にも耐えることができる
- 頑丈で耐久性が高い鉄骨を使用している
- 高層ビル建築にも使用される制震技術を応用した「アタックフレーム」を採用している
また、パナソニック ホームズでは、物件の引き渡しから35年間地震によって建物が全壊・半壊などした場合、建て替えや補修の費用を全額保証する「地震あんしん保証」制度も提供しています。
地震に強い家の特徴とは?

1. 地盤が強い
地盤の強さは非常に重要な要素になります。地盤の強い土地に家を建てれば、地震に強い家ができます。反対に、地盤が緩い土地に家を建てれば、揺れが起きた時に家を支えきれず倒壊したり沈下したりする恐れがあるため、地震に強い家づくりは、土地探しから始まっていると言っても過言ではないのです。なるべく最初から地盤の強い土地を選ぶことで、余計な費用をかけずに地震に強い家を建てることができます。また最近の都心部では、「液状化現象」などのリスクもありますので、しっかりと地盤を調査する必要があります。そして地盤調査や地盤改良にはある一定の費用が発生してしまうため、建築費用や総予算が高くなる傾向にあります。地盤改良や造成をする場合、数十万円から数百万円費用がかかるケースが多くあります。そのため土地探しのタイミングから依頼会社や業者さんとコミュニケーションを取り、地盤の強い土地をあらかじめ探すのも、地震に対応するための手段の一つになります。

2. 構造が優れている
建築基準法における現行の耐震基準では、木造、鉄骨造、鉄筋コンクリート造といった構造種別に関係なく、また同じ木造住宅でも在来工法(木造軸組)、ツーバイフォー、木質パネルといった工法に関係なく、震度6強~7に達する程度の大規模地震でも倒壊・崩壊する恐れのない建築物とすることを定めています。
さらに近年では、住宅性能表示制度や長期優良住宅制度の制定に伴い、建築基準法の求める耐震性能の1.5倍以上の性能(住宅性能表示制度 耐震等級3)を持つように設計される建物が増えてきています。これらのように、構造や工法の種類に関係なく、設計の工夫によって高い耐震性を持つ住宅の実現が可能になります。

3. 家の形状がシンプル
注文住宅や新築一戸建てを検討する上で地震対策をするならば、「シンプルな形と構造」の住まいにすることは大事です。
基本的に地震に強い家は、真四角な正方形や長方形に近い形のシンプルな構造になります。正方形は同じ面積の面で支え合うため、力が分散されやすく倒壊しにくくなります。家の形が複雑になればなるほど、地震のエネルギーを受けやすくなるため、L字やコの字、1階部分の一部がカーポートになっていて壁がないといった形状の場合、倒壊リスクが高くなります。耐震基準を満たし同じ耐震等級だとしても、建物の形によって倒壊リスクは変わります。「住宅の骨格」「住宅の骨組み」において、シンプルな形と構造の場合、特別なデザイン費用や一級建築士による設計費用も特別発生しないため、建築費用を多少抑えることができる可能性もあります。

4. 土地に合った基礎を使用している
日本の多くの地域は、地震による大きな揺れが発生する可能性があります。先ほど1つ目にお話した「地盤」ですが、地盤調査をすることはとても大事なります。基礎工事においてある程度は地盤調査結果を反映、考慮します。そして基礎工事段階において、その地域の地盤がどの程度地震の揺れを伝達するかを把握できます。これは、建物やインフラの地震時の安全性を確保する上で非常に重要です。そのため基礎工事段階においても、地盤調査同様、どの程度地震に強い地盤、基礎になるのかを把握しておくことも大切です。

5. 耐震等級3である
「耐震等級」とは、国が定めた「住宅性能表示基準」において、建物がどの程度大きな地震の力まで倒壊、崩壊しないかを評価し、等級で表示します。地震に対する建物の強さを示す指標で、1~3の3段階に分けられています。等級が高くなるほど、より大きな力に耐える住宅であることを表します。つまり、数字が大きいほど耐震性能が高く、地震による倒壊や損傷のしにくさを表しています。
<耐震等級1>
建築基準法の「新耐震基準」を満たしています。
極めて稀に(数百年に1度程度)発生する地震による力に対して倒壊、崩壊しない程度。
<耐震等級2>
建築基準法の1.25倍の強さを持っています。
※学校・病院等の防災拠点と同程度の耐震性を有します。
<耐震等級3>
建築基準法の1.50倍の強さを持っています。
※警察・消防署等の防災拠点と同程度の耐震性を有します。

引用:https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/content/001586565.pdf
6. 構造計算や型式適合認定の取得
構造計算とは、建築物の構造部分にかかる力や変形、応力などを計算し、その建物が安全であるかどうかを検証するものです。
構造計算では、次の2つようなことを行います。
・自重や積載荷重、積雪や風圧、土圧、水圧、地震、衝撃などの外力によって、建物がどう変形し、どう応力が生まれるのかを計算する
・建物にかかる力に構造物が耐えられるかどうかを判定する
構造計算は、建築基準法で定められている規格に適合しているかを確かめる手段として行われます。また、災害時の安全上の指標ともなります。
建築基準法では、「許容応力度計算」「限界耐力計算」「超高層建築物の構造計算」などがあり、建物の構造や規模、用途などによって計算方法や想定する加重、必要とする耐力などが異なります。
またこちらであえてご紹介したのは、今年の2025年4月からは、建築基準法の改正により、新2号建築物では木造構造計算が義務化されます。
新2号建築物とは、延べ面積が200平米を超える建築物です。平屋であっても、棟単位で判断されます。一体増築の場合は、一体となる建築物の棟の規模で判断されます。

引用元:https://news.panasonic.com/jp/press/jn161025-1
7. 制震・免震設備がある
「免震」のメリットは?
耐震や制震と比較して建物の地震による揺れが小さくなることは、免震の最大のメリットと言えます。前段で解説したとおり、建物と地盤が切り離されているため、地震が発生しても建物が大きく揺れることを防ぎます。
「免震」は、地震に対して最も優れた構造と言っても過言ではありません。
また免震の場合、建物自体の揺れを小さくできるため、家具の転倒や移動、物の落下なども起こりにくくすることができます。そのため、転倒家具による怪我や物の落下などによる負傷リスクを軽減することができます。
「制震」のメリットは?
制震のメリットは、免震と比較すると建設、建築コストを抑えることができます。また制震は、メンテナンスが比較的簡単なことも、メリットのひとつです。
地震が起きたあとも、ダンパーの取り替えやメンテナンスは必要ありません。
ただし、ダンパーの種類によっては、装置の定期的な点検が必要になります。
例えば、オイルダンパーの場合はオイル漏れが起きていないか、ゴムダンパーの場合は気温の変化による劣化が起きていないかなどの点検が発生します。
他にも、鋼材ダンパーがありますが、こちらは定期的なメンテナンスは不要です。
また制震は、繰り返しの揺れにも強いため、余震による建物の被害も受けにくくできますし、台風などの強風による揺れにも強いのが特徴です。
地震に強い家を選ぶためのポイント

引用:https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/content/001586565.pdf
耐震等級を確認する
<耐震等級1>
建築基準法の「新耐震基準」を満たしています。
極めて稀に(数百年に1度程度)発生する地震による力に対して倒壊、崩壊しない程度。
<耐震等級2>
建築基準法の1.25倍の強さを持っています。
※学校・病院等の防災拠点と同程度の耐震性を有します。
<耐震等級3>
建築基準法の1.50倍の強さを持っています。
※警察・消防署等の防災拠点と同程度の耐震性を有します。

耐震、免震、制震の違いを理解する
「耐震」
耐震とは、みなさまも聞き馴染みのあるワードだと思いますが、建物を強くすることで「地震の揺れに耐えようとする構造」になります。
壁に筋交いを入れたり、建物の部材の接合部を金具で補強したりして、建物を強くすることで建物の崩壊を防ぎます。
地震のエネルギーは、主に重量のある床や屋根にかかるため、これらを支える柱や梁なども含めて、建物全体をバランスよく補強しなければなりません。
地震が起こることで発生する力に、建物の耐久性能をあげることが「耐震」になります。
耐震は、最も一般的な構造であり、一戸建て住宅やマンション、高層ビルや学校といった様々な建物で採用されています。
「免震」
免震とは、基礎と建物との間にローラーなどの免震装置を設置し地面と建物を切り離したもので、地震のエネルギー自体を建物へ伝えず、受け流します。建物と地盤を切り離したものが免震構造になります。
もちろん建物が宙に浮いているわけではありませんが、建物と基礎の間に特殊な免震装置を設けることで、地震の力を受け流して建物の揺れを少なくします。
免震装置は、揺れを吸収するダンパーや、建物を支えるゴムアイソレータなどによって構成されています。
免震の大きな特徴は、耐震や制震と比較して、大きな地震が発生しても建物は揺れにくいことです。
免震装置が地震の揺れを吸収してくれるため、建物を倒壊しにくくします。
「制震」
「制震」とは、ダンパーなどの制振装置を設置したもので、建物に伝わる地震の揺れを吸収しながら揺れ幅を小さくし建物本体へのダメージを抑制するものになります。
制震は、建物内で地震の揺れを吸収する制震構造が採用されます。
高層ビルやタワーマンションといった高い建物は、上階ほど揺れが大きくなる傾向がありますが、制震構造を採用することで、上階における揺れの増幅を緩和できます。
制震は、免震とは異なり、建物と地盤が切り離されているわけではありません。
地盤の揺れは建物に直接伝わってしまいますが、ダンパーなどの制震装置が揺れを熱エネルギーに転換して、空気中に放出してくれます。
その結果、揺れが小さくなり、建物を倒壊しにくくします。
まとめ|地震に強い家で安心の暮らしを
地震に強い家を提供するハウスメーカーを選ぶ際は、耐震性や技術力、過去の実績を比較することが大切です。自分のライフスタイルや地域の特性に合った最適なハウスメーカーを見つけましょう。