地震に強い家とは?耐震等級3・地盤・ハウスメーカーの選び方

6. 構造計算や型式適合認定の取得

専門家

本ページでは以下のことがわかります。

結論|地震に強い家は「耐震等級3・地盤・構造計算・施工品質」で判断する

地震に強い家を建てるなら、まず確認したいのは「耐震等級3を取得できるか」「地盤調査と地盤改良が適切に行われるか」「構造計算や壁量計算の内容を説明してもらえるか」「施工品質や保証体制が明確か」の4点です。

有名なハウスメーカーや鉄骨造であっても、土地の地盤、建物の形、間取りのバランス、基礎の設計、施工精度によって地震への強さは変わります。そのため、地震に強い家を選ぶ際は、メーカー名だけで判断するのではなく、性能・根拠・保証・地域特性を総合的に比較することが大切です。

特に家族の安全性と将来の資産価値を重視する場合は、耐震等級3を目安にしながら、必要に応じて制震装置や免震構造、地盤改良、許容応力度計算の有無まで確認しておきましょう。

  • 地震に強い家・耐震
  • 2025.6.18

地震に強い家を選ぶ前に確認したい7つの基準

ハウスメーカーを比較する前に、地震に強い家の判断基準を整理しておきましょう。耐震性は「どの会社で建てるか」だけでなく、「どの土地に、どの構造で、どのような設計・施工をするか」によって大きく変わります。

地震に強い家を選ぶ7つの基準

確認項目見るべきポイント
耐震等級耐震等級3を取得できるかを確認します。等級3「相当」ではなく、正式な評価書や証明書を取得できるかも重要です。
地盤地盤調査の方法、液状化リスク、必要となる地盤改良の内容を確認します。
基礎ベタ基礎・布基礎・杭基礎など、土地の状態に合った基礎設計になっているかを確認します。
構造計算壁量計算だけでなく、建物にかかる力を詳細に検証する「許容応力度計算」まで行っているかを確認します。
建物形状正方形・長方形に近いシンプルな形状かを確認します。大きな吹き抜けやビルトインガレージが耐震性に与える影響を説明できるかも重要です。
制震・免震耐震性能に加えて、繰り返し発生する余震への備えがあるかを確認します。
施工・保証工場生産や現場管理、検査体制、地震保証、定期点検の内容が明確になっているかを確認します。

この7項目を確認しておくと、住宅メーカーごとの耐震技術を比較しやすくなり、自分たちの土地や予算に合った「地震に強い家」を選びやすくなります。

各ハウスメーカーの耐震性と特徴

地震に強い家を建てるためのハウスメーカー別耐震性能比較

ハウスメーカー別|耐震技術の比較表

各ハウスメーカーは、それぞれ独自の構造・制震技術・実験データ・保証制度を持っています。ただし、同じメーカーでも商品シリーズや間取り、土地条件によって対応できる仕様が異なるため、展示場や相談時には「標準仕様でどこまで対応できるか」を必ず確認しましょう。

ハウスメーカー別 耐震技術の比較

ハウスメーカー主な耐震・制震技術確認したいポイント向いている人
セキスイハイム鉄骨ユニット構造、ハイブリッド耐震、高精度な工場生産標準仕様で耐震等級3を取得できる条件や、地盤・間取りによる制限を確認します。工場品質や安定した施工精度を重視したい人
ダイワハウスxevoΣ、エネルギー吸収型耐力壁、持続型耐震構造大空間・大開口のある間取りと耐震性を両立できる範囲を確認します。開放感のある間取りと耐震性を両立したい人
ヘーベルハウス重量鉄骨、ALC外壁、制震装置、ラーメン構造重量鉄骨の強み、狭小地や3階建てへの対応範囲、制震装置の仕様を確認します。都市部・3階建て・重量鉄骨の住宅を検討したい人
積水ハウス制震システム「シーカス」など制震技術が標準仕様かオプションか、商品シリーズによってどのような違いがあるかを確認します。デザイン性と制震性能のバランスを重視したい人
三井ホームプレミアム・モノコック構法、ツーバイフォー系構造木造住宅で耐震等級3を取得できるか、構造計算の方法、断熱性とのバランスを確認します。木造住宅のデザイン性と耐震性を両立したい人
パナソニックホームズアタックフレーム、座屈拘束技術、地震あんしん保証地震保証の対象範囲や適用条件、補修・建て替えが適用される条件を確認します。地震発生後の保証制度まで重視したい人

ハウスメーカーを比較する際は、単に「耐震等級3に対応していますか」と確認するだけでは不十分です。

「検討している土地・間取り・予算でも耐震等級3を取得できますか」「正式な評価書や証明書は発行されますか」「制震装置は標準仕様ですか、それともオプションですか」まで具体的に確認することが重要です。

セキスイハイムの耐震性能

セキスイハイムの耐震性能は、標準仕様で耐震等級3を取得でき、業界初の複合型耐震理論(ハイブリッド耐震)を採用しています。

セキスイハイムの耐震性能の特徴は次のとおりです。

  • 強固な鉄骨ユニットと高性能耐力外壁で構成された構造躯体
  • ユニット同士をハイテンションボルトで強力に接合した構造
  • 基礎とユニットをアンカーボルトで接続し、地盤に力を逃す構造
  • 地震の衝撃を吸収する強固な外壁
  • 工場生産による高精度な組み立てと厳しい管理体制

セキスイハイムの耐震性能の実証には、実物大の住宅での耐震実験や被災地のハイムの調査などが行われています。

さらには、被災地の住宅でも地震に耐えた実績があります。

ダイワハウスの「xevoΣ(ジーヴォ シグマ)」

ダイワハウスの「xevoΣ(ジーヴォ シグマ)」

ダイワハウスの「xevoΣ(ジーヴォ シグマ)」は、同社の鉄骨造住宅シリーズの一つで、高い耐震性と開放的な空間設計を特徴としています。倒壊しない「持続型耐震構造」を採用しており、地震エネルギーを効果的に吸収する「エネルギー吸収型耐力壁」や強固な基礎構造により、優れた耐震性能を実現しています。

また、独自のテクノロジーにより、天井高2.72メートルの大空間や広い会話を可能にし、開放感のある居住空間を提供しています。

さらに、外張り断熱工法を採用し、家全体を高断熱・高気密化することで、省エネ性能や快適性も追求しています。

これらの特徴により、「xevoΣ」は強​​さと快適さを前提とした住まいを提供しています。

鉄骨構造「xevoΣ」は震度7クラスの地震にも繰り返し耐える設計になっています。

ヘーベルハウスの特徴

ヘーベルハウスの特徴

ヘーベルハウスは、重量鉄骨造を採用しており、耐震等級3を取得しています。ヘーベルハウスの耐震性能のポイントは次のとおりです。

  • 制震装置の標準搭載
  • 軽量気泡ALCコンクリート・ヘーベルを採用した外壁材
  • ハイパワード制震ALC構造、ハイパワードクロス、剛床システムなどの制震面
  • オイルダンパー制震装置「サイレス」
  • 重鉄制震・デュアルテックラーメン構造
  • ロッキング工法による外壁の取り付け

ヘーベルハウスの耐震性能は、過去に起きた地震を再現できる施設「E–ディフェンス」による実験で証明されています。

積水ハウスの技術力

積水ハウスの技術力

「シーカス(SHEQAS)」と呼ばれる独自の制震技術で積水ハウスの軽量鉄骨住宅に採用されている制震システムです。シーカス(SHEQAS)は、積水ハウスが提供する国土交通大臣認定の制震システムです。地震の揺れを熱エネルギーに変換して吸収することで、建物の変形量を約半分に抑えます。

シーカスは、耐震構造の耐力壁の一部を「シーカスフレーム」に置き換えることで実現されています。シーカスフレームには、特殊高減衰ゴムが内蔵された「シーカスダンパー」がK型に組み込まれています。

シーカスは、震度7クラスの大地震や繰り返しの地震にも効果を発揮します。実大モデルによる振動実験では、入力波最大速度160カインという巨大地震を想定した揺れでも倒壊することなく、外壁の割れ・脱落も確認されています

プレミアムモノコック構法

引用元:https://www.g-mark.org/gallery/winners/9dad296e-803d-11ed-af7e-0242ac130002

三井ホームの耐震構造

三井ホームが開発した耐震性に優れた住宅の構法「プレミアム・モノコック構法」は、枠組壁工法(ツーバイフォー)をベースに、三井ホーム独自の技術を加えたモノコック構造で、高い耐震性と断熱性を備えています。

三井ホームでは、オリジナル開発のDSP(ダブルシールドパネル)、BSW(ブロック・アンド・シームレスウォール)、TF(トラスフロア)、MS(マットスラブ)、それぞれの技術を結集させたオリジナル構法になります。災害、四季の変化、時の経過にも耐える安心の住まいを実現します。耐震実験では、震度7の揺れに60回連続で耐えるなど、過酷な条件でも驚異的な耐震性を実証しています。

三井ホームの耐震構造

引用元:https://homes.panasonic.com/sumai/technology/taishin/taishin_f.html

パナソニックホームズの安全設計

パナソニック ホームズの耐震性能は、超高層ビル建築にも使用される「座屈拘束技術」や「アタックフレーム」などの構造技術によって、地震に強い家づくりを実現しています。

パナソニック ホームズの耐震性能の特徴は次のとおりです。

  • 超高層ビル建築にも使用される「座屈拘束技術」を採用している
  • 引張や圧縮にも耐えられる耐震性を有している
  • 繰り返す大地震にも耐えることができる
  • 頑丈で耐久性が高い鉄骨を使用している
  • 高層ビル建築にも使用される制震技術を応用した「アタックフレーム」を採用している

また、パナソニック ホームズでは、物件の引き渡しから35年間地震によって建物が全壊・半壊などした場合、建て替えや補修の費用を全額保証する「地震あんしん保証」制度も提供しています。

地震に強い家の特徴とは?

地震に強い家の特徴である地盤・基礎・構造・耐震等級の図解

1. 地盤が強い

地盤の強さは非常に重要な要素になります。地盤の強い土地に家を建てれば、地震に強い家ができます。反対に、地盤が緩い土地に家を建てれば、揺れが起きた時に家を支えきれず倒壊したり沈下したりする恐れがあるため、地震に強い家づくりは、土地探しから始まっていると言っても過言ではないのです。なるべく最初から地盤の強い土地を選ぶことで、余計な費用をかけずに地震に強い家を建てることができます。また最近の都心部では、「液状化現象」などのリスクもありますので、しっかりと地盤を調査する必要があります。そして地盤調査や地盤改良にはある一定の費用が発生してしまうため、建築費用や総予算が高くなる傾向にあります。地盤改良や造成をする場合、数十万円から数百万円費用がかかるケースが多くあります。そのため土地探しのタイミングから依頼会社や業者さんとコミュニケーションを取り、地盤の強い土地をあらかじめ探すのも、地震に対応するための手段の一つになります。

地震に強い家づくりで重要な地盤調査と地盤の強さ

北関東で地震に強い家を建てるなら地盤・液状化リスクも確認

北関東で家づくりを検討する場合も、地盤の確認は非常に重要です。同じ市区町村内でも、河川沿い、旧水田、造成地、低地、台地などで地盤の性質は大きく異なります。

土地を購入する前には、ハザードマップや液状化リスク、過去の地形、周辺の地盤改良実績を確認しておきましょう。すでに土地を所有している場合でも、建築前の地盤調査によって、表層改良・柱状改良・鋼管杭などの地盤改良が必要になるケースがあります。

地震に強い家を建てるには、建物本体の耐震性能だけでなく、「その土地が建物を安全に支えられるか」まで確認することが欠かせません。住宅展示場やハウスメーカーに相談する際は、建物価格だけでなく、地盤調査費・地盤改良費・基礎工事費まで含めた総予算で比較しましょう。

2. 構造が優れている

建築基準法における現行の耐震基準では、木造、鉄骨造、鉄筋コンクリート造といった構造種別に関係なく、また同じ木造住宅でも在来工法(木造軸組)、ツーバイフォー、木質パネルといった工法に関係なく、震度6強~7に達する程度の大規模地震でも倒壊・崩壊する恐れのない建築物とすることを定めています。

さらに近年では、住宅性能表示制度や長期優良住宅制度の制定に伴い、建築基準法の求める耐震性能の1.5倍以上の性能(住宅性能表示制度 耐震等級3)を持つように設計される建物が増えてきています。これらのように、構造や工法の種類に関係なく、設計の工夫によって高い耐震性を持つ住宅の実現が可能になります。

構造が優れている

「木造は地震に弱い?」という疑問には、工法・構造計画・施工品質で明確に答えが変わります。木造の長所と注意点、等級3との関係まで解説した関連記事「木造住宅は地震に強い?その理由と耐震性を高める方法」も合わせてチェックしておくと判断が確実です。

木造・鉄骨造・鉄筋コンクリート造のどれが地震に強い?

「木造より鉄骨造の方が地震に強いのでは?」と考える方も多いですが、構造種別だけで地震への強さが決まるわけではありません。

木造でも、耐力壁の配置、接合金物、構造用面材、床倍率、基礎設計、構造計算を適切に行えば、高い耐震性能を確保できます。一方で、鉄骨造や鉄筋コンクリート造でも、間取りのバランスが悪かったり、地盤や基礎の設計が不十分だったりすると、地震時に大きな損傷を受ける可能性があります。

大切なのは、木造・鉄骨造・RC造のどれを選ぶかだけではなく、以下の点を確認することです。

  • 耐震等級3を取得できる設計か
  • 耐力壁や柱・梁のバランスがよいか
  • 大開口・吹き抜け・ビルトインガレージの影響を説明できるか
  • 地盤に合った基礎設計になっているか
  • 構造計算や第三者評価の有無を確認できるか

つまり、地震に強い家を建てるには「構造の種類」よりも、「設計の根拠」と「施工品質」を確認することが重要です。

木造住宅の耐震性について詳しく知りたい方は、関連記事「木造住宅は地震に強い?その理由と耐震性を高める方法」もご覧ください。木造住宅で耐震性を高める具体的な方法を確認できます。

3. 家の形状がシンプル

注文住宅や新築一戸建てを検討する上で地震対策をするならば、「シンプルな形と構造」の住まいにすることは大事です。

基本的に地震に強い家は、真四角な正方形や長方形に近い形のシンプルな構造になります。正方形は同じ面積の面で支え合うため、力が分散されやすく倒壊しにくくなります。家の形が複雑になればなるほど、地震のエネルギーを受けやすくなるため、L字やコの字、1階部分の一部がカーポートになっていて壁がないといった形状の場合、倒壊リスクが高くなります。耐震基準を満たし同じ耐震等級だとしても、建物の形によって倒壊リスクは変わります。「住宅の骨格」「住宅の骨組み」において、シンプルな形と構造の場合、特別なデザイン費用や一級建築士による設計費用も特別発生しないため、建築費用を多少抑えることができる可能性もあります。

3. 家の形状がシンプル

4. 土地に合った基礎を使用している

日本の多くの地域は、地震による大きな揺れが発生する可能性があります。先ほど1つ目にお話した「地盤」ですが、地盤調査をすることはとても大事なります。基礎工事においてある程度は地盤調査結果を反映、考慮します。そして基礎工事段階において、その地域の地盤がどの程度地震の揺れを伝達するかを把握できます。これは、建物やインフラの地震時の安全性を確保する上で非常に重要です。そのため基礎工事段階においても、地盤調査同様、どの程度地震に強い地盤、基礎になるのかを把握しておくことも大切です。

4. 土地に合った基礎を使用している

5. 耐震等級3である

「耐震等級」とは、国が定めた「住宅性能表示基準」において、建物がどの程度大きな地震の力まで倒壊、崩壊しないかを評価し、等級で表示します。地震に対する建物の強さを示す指標で、1~3の3段階に分けられています。等級が高くなるほど、より大きな力に耐える住宅であることを表します。つまり、数字が大きいほど耐震性能が高く、地震による倒壊や損傷のしにくさを表しています。

耐震等級3を前提に家づくりを進めたい方は、関連記事「耐震等級3の基礎知識と選び方」も参考にしてください。耐震等級の考え方や確認すべきポイントを詳しく整理しています。

<耐震等級1>

建築基準法の「新耐震基準」を満たしています。

極めて稀に(数百年に1度程度)発生する地震による力に対して倒壊、崩壊しない程度。

<耐震等級2>

建築基準法の1.25倍の強さを持っています。

※学校・病院等の防災拠点と同程度の耐震性を有します。

<耐震等級3>

建築基準法の1.50倍の強さを持っています。

※警察・消防署等の防災拠点と同程度の耐震性を有します。

耐震等級3の家に必要な耐力壁と構造補強のイメージ

引用:https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/content/001586565.pdf

結論、家族の安全性と資産性を重視するなら耐震等級3が目安です。設計時のチェックポイントやコスト・確認方法までの実務は「耐震等級3の基礎知識と選び方」で詳しく整理しています。等級3を前提に検討を進めたい方はご確認ください。

「耐震等級3」と「耐震等級3相当」の違いに注意

ハウスメーカーや工務店の説明で注意したいのが、「耐震等級3」と「耐震等級3相当」という表現の違いです。

耐震等級3は、住宅性能表示制度などに基づき、第三者機関の評価や設計上の根拠をもって確認できる性能です。一方で、耐震等級3相当は、会社独自の計算や仕様により「等級3と同程度を想定している」という意味で使われることがあります。

耐震等級3と耐震等級3相当の違い

表現意味確認すべきこと
耐震等級3住宅性能表示制度などで確認できる最高等級です。設計住宅性能評価書や建設住宅性能評価書を取得できるか確認します。
耐震等級3相当耐震等級3と同程度の性能を想定していることを示す表現です。第三者機関による評価の有無、採用している計算方法、証明書を発行できるか確認します。
自社基準で高耐震ハウスメーカーや工務店が独自に定めた耐震基準です。公的な耐震基準との違い、耐震実験の条件、地震発生時の保証範囲を確認します。

契約前には、「耐震等級3を取得できますか」と確認するだけでなく、次の内容まで具体的に確認することが重要です。

「正式な評価書を取得できますか」「評価書の取得費用はいくらですか」「希望する土地や間取りでも耐震等級3を取得できますか」まで確認しましょう。

6. 構造計算や型式適合認定の取得

構造計算とは、建築物の構造部分にかかる力や変形、応力などを計算し、その建物が安全であるかどうかを検証するものです。

構造計算では、次の2つようなことを行います。

・自重や積載荷重、積雪や風圧、土圧、水圧、地震、衝撃などの外力によって、建物がどう変形し、どう応力が生まれるのかを計算する

・建物にかかる力に構造物が耐えられるかどうかを判定する

構造計算は、建築基準法で定められている規格に適合しているかを確かめる手段として行われます。また、災害時の安全上の指標ともなります。

建築基準法では、「許容応力度計算」「限界耐力計算」「超高層建築物の構造計算」などがあり、建物の構造や規模、用途などによって計算方法や想定する加重、必要とする耐力などが異なります。

またこちらであえてご紹介したのは、今年の2025年4月からは、建築基準法の改正により、新2号建築物では木造構造計算が義務化されます。

新2号建築物とは、延べ面積が200平米を超える建築物です。平屋であっても、棟単位で判断されます。一体増築の場合は、一体となる建築物の棟の規模で判断されます。

地震に強い家に必要な制震ダンパーと耐震構造のイメージ

引用元:https://news.panasonic.com/jp/press/jn161025-1

2025年4月以降は構造・省エネ関連の確認もより重要に

2025年4月以降の建築基準法改正により、木造住宅でも建築確認や検査の対象、構造規定等の審査範囲が見直されています。特に、木造2階建てや延べ面積が大きい住宅では、これまで以上に構造安全性や省エネ基準への適合を確認することが重要になります。

ただし、「法改正によりすべての木造住宅で許容応力度計算が必須になった」という意味ではありません。実際には、建物の規模、階数、地域、構造、設計内容によって必要な確認内容が変わります。

そのため、地震に強い家を建てたい場合は、ハウスメーカーや設計者に次の点を確認しましょう。

  • この建物は新2号建築物・新3号建築物のどちらに該当するか
  • 構造関係の図書はどこまで提出・確認されるか
  • 壁量計算だけでなく、許容応力度計算まで行うか
  • 耐震等級3を取得する場合、どの計算方法を使うか
  • 大開口・吹き抜け・スキップフロア・ビルトインガレージが耐震性に与える影響
  • 地盤調査結果を基礎設計にどう反映するか

法改正への対応状況をきちんと説明できる会社は、耐震性だけでなく、設計・申請・施工管理の信頼性も判断しやすくなります。

7. 制震・免震設備がある

「免震」のメリットは?

耐震や制震と比較して建物の地震による揺れが小さくなることは、免震の最大のメリットと言えます。前段で解説したとおり、建物と地盤が切り離されているため、地震が発生しても建物が大きく揺れることを防ぎます。

「免震」は、地震に対して最も優れた構造と言っても過言ではありません。

また免震の場合、建物自体の揺れを小さくできるため、家具の転倒や移動、物の落下なども起こりにくくすることができます。そのため、転倒家具による怪我や物の落下などによる負傷リスクを軽減することができます。 

「制震」のメリットは?

制震のメリットは、免震と比較すると建設、建築コストを抑えることができます。また制震は、メンテナンスが比較的簡単なことも、メリットのひとつです。

地震が起きたあとも、ダンパーの取り替えやメンテナンスは必要ありません。

ただし、ダンパーの種類によっては、装置の定期的な点検が必要になります。

例えば、オイルダンパーの場合はオイル漏れが起きていないか、ゴムダンパーの場合は気温の変化による劣化が起きていないかなどの点検が発生します。

他にも、鋼材ダンパーがありますが、こちらは定期的なメンテナンスは不要です。

また制震は、繰り返しの揺れにも強いため、余震による建物の被害も受けにくくできますし、台風などの強風による揺れにも強いのが特徴です。

耐震・制震・免震はどれを選ぶべき?

地震に強い家を考える際は、「耐震」「制震」「免震」を別々に考えるのではなく、それぞれの役割を理解して組み合わせることが大切です。

耐震・制震・免震の違い

種類役割メリット注意点
耐震柱・梁・壁・基礎など建物自体を強くし、地震の揺れに耐えられるようにします。多くの住宅で採用されている、地震対策の基本となる性能です。繰り返し強い揺れを受けると、建物にダメージが蓄積する可能性があります。
制震ダンパーなどの制震装置によって、建物の揺れを吸収・軽減します。本震だけでなく、余震や繰り返し発生する地震にも備えやすくなります。制震装置の種類や設置位置、耐用年数、メンテナンスの条件を確認する必要があります。
免震建物と地盤の間に免震装置を設置し、地震の揺れを建物に伝えにくくします。建物の揺れだけでなく、室内の家具や家電の転倒・移動も抑えやすくなります。導入費用が高く、敷地の広さや地盤などの土地条件によっては採用できない場合があります。

一般的な注文住宅では、まず耐震等級3の取得を目指し、そのうえで予算や土地条件に応じて制震装置を検討する流れが現実的です。

免震は高い効果が期待できる一方で、導入費用や敷地・地盤条件による制約があります。採用を検討する場合は、計画の早い段階でハウスメーカーや設計担当者に確認しましょう。

地震に強い家を選ぶためのポイント

地震に強い家を選ぶためのポイント

引用:https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/content/001586565.pdf

耐震等級を確認する

<耐震等級1>

建築基準法の「新耐震基準」を満たしています。

極めて稀に(数百年に1度程度)発生する地震による力に対して倒壊、崩壊しない程度。

<耐震等級2>

建築基準法の1.25倍の強さを持っています。

※学校・病院等の防災拠点と同程度の耐震性を有します。

<耐震等級3>

建築基準法の1.50倍の強さを持っています。

※警察・消防署等の防災拠点と同程度の耐震性を有します。

耐震等級を確認する

耐震、免震、制震の違いを理解する

「耐震」

耐震とは、みなさまも聞き馴染みのあるワードだと思いますが、建物を強くすることで「地震の揺れに耐えようとする構造」になります。

壁に筋交いを入れたり、建物の部材の接合部を金具で補強したりして、建物を強くすることで建物の崩壊を防ぎます。

地震のエネルギーは、主に重量のある床や屋根にかかるため、これらを支える柱や梁なども含めて、建物全体をバランスよく補強しなければなりません。

地震が起こることで発生する力に、建物の耐久性能をあげることが「耐震」になります。

耐震は、最も一般的な構造であり、一戸建て住宅やマンション、高層ビルや学校といった様々な建物で採用されています。

「免震」

免震とは、基礎と建物との間にローラーなどの免震装置を設置し地面と建物を切り離したもので、地震のエネルギー自体を建物へ伝えず、受け流します。建物と地盤を切り離したものが免震構造になります。

もちろん建物が宙に浮いているわけではありませんが、建物と基礎の間に特殊な免震装置を設けることで、地震の力を受け流して建物の揺れを少なくします。

免震装置は、揺れを吸収するダンパーや、建物を支えるゴムアイソレータなどによって構成されています。

免震の大きな特徴は、耐震や制震と比較して、大きな地震が発生しても建物は揺れにくいことです。

免震装置が地震の揺れを吸収してくれるため、建物を倒壊しにくくします。

「制震」

「制震」とは、ダンパーなどの制振装置を設置したもので、建物に伝わる地震の揺れを吸収しながら揺れ幅を小さくし建物本体へのダメージを抑制するものになります。

制震は、建物内で地震の揺れを吸収する制震構造が採用されます。

高層ビルやタワーマンションといった高い建物は、上階ほど揺れが大きくなる傾向がありますが、制震構造を採用することで、上階における揺れの増幅を緩和できます。

制震は、免震とは異なり、建物と地盤が切り離されているわけではありません。

地盤の揺れは建物に直接伝わってしまいますが、ダンパーなどの制震装置が揺れを熱エネルギーに転換して、空気中に放出してくれます。

その結果、揺れが小さくなり、建物を倒壊しにくくします。

契約前に確認したい「地震に強い家」のチェックリスト

ハウスメーカーや工務店を比較する際は、カタログ上の耐震性能だけでなく、実際に建てる土地・間取り・予算でどこまで対応できるかを確認することが大切です。契約前には、以下の項目をチェックしておきましょう

地震に強い家を建てるための契約前チェックリスト

地震に強い家を建てるための契約前チェックリスト

チェック項目確認する質問例
耐震等級希望する間取りで耐震等級3を取得できますか?
証明書設計住宅性能評価書や建設住宅性能評価書は取得できますか?
構造計算壁量計算だけですか?許容応力度計算にも対応できますか?
地盤調査地盤調査の結果や地震・液状化リスクについて、どのように説明してもらえますか?
地盤改良地盤改良が必要な場合、工法と費用の目安はいくらですか?
基礎ベタ基礎・布基礎・杭基礎のうち、どの基礎を採用するのか、その選定理由を説明できますか?
間取り吹き抜け・大開口・ビルトインガレージは耐震性に影響しますか?
制震装置制震装置は標準仕様ですか?オプションの場合、追加費用はいくらですか?
保証地震による建物の損傷や倒壊は保証の対象になりますか?
点検引き渡し後の定期点検やメンテナンス体制はありますか?

このチェックリストの質問に対して具体的かつ明確に回答できる会社であれば、耐震性に関する説明力や設計力を判断しやすくなります。

反対に、「大丈夫です」「当社の家は地震に強いです」といった抽象的な説明だけの場合は、耐震性の根拠となる評価書や構造計算書、実験データ、保証内容などの資料を確認するようにしましょう。

ハウスメーカー選びで迷っている方は、住宅展示場で複数社を比較し、耐震等級・制震装置・保証内容をまとめて確認するのがおすすめです。

まとめ|地震に強い家で安心の暮らしを

地震に強い家を建てるには、ハウスメーカーの知名度や構造の種類だけで判断するのではなく、耐震等級3、地盤調査、基礎設計、構造計算、制震・免震設備、施工品質、保証制度を総合的に確認することが大切です。

特に注文住宅では、希望する間取りや土地条件によって耐震性能が変わるため、早い段階で「この土地・この間取りで耐震等級3を取得できるか」「構造計算はどこまで行うか」「地盤改良費を含めた総予算はいくらか」を確認しておきましょう。

まるっと住まいの窓口北関東では、住宅展示場やハウスメーカー選びに関する相談も可能です。地震に強い家を建てたい方は、複数のメーカーの耐震性能や保証内容を比較しながら、自分たちの暮らしに合った住まいを検討してみてください。

この記事に関連したよくある質問

木造住宅でも地震に強い家は建てられますか?

はい、木造住宅でも地震に強い家は建てられます。重要なのは、木造か鉄骨かという構造種別だけではなく、耐震等級、構造計算、耐力壁の配置、接合部の補強、基礎設計、施工品質です。木造でも耐震等級3を取得し、地盤や基礎まで適切に設計すれば、高い耐震性を確保できます。

耐震等級3は必ず必要ですか?

法律上、すべての住宅に耐震等級3が義務付けられているわけではありません。ただし、家族の安全性や地震後の住み続けやすさ、資産価値を重視するなら、耐震等級3を目安に検討するのがおすすめです。特に注文住宅では、設計段階から耐震等級3を前提に相談すると、間取りと耐震性のバランスを取りやすくなります。

制震ダンパーは付けた方がよいですか?

制震ダンパーは、地震の揺れを吸収し、建物へのダメージを抑えるための設備です。特に繰り返す余震への備えとして有効です。ただし、制震装置を付ければ耐震等級が不要になるわけではありません。まずは建物本体の耐震性能を確保し、そのうえで制震を追加する考え方が基本です。

地盤が弱い土地でも地震に強い家は建てられますか?

地盤が弱い土地でも、地盤調査の結果に応じて適切な地盤改良や基礎設計を行えば、建物の安全性を高めることは可能です。ただし、地盤改良費が追加で発生することがあるため、土地購入前に地盤リスクや周辺の改良実績を確認しておくことが大切です。

ハウスメーカー選びで一番重要なポイントは何ですか?

一番重要なのは、「地震に強い」と言える根拠を具体的に説明できるかどうかです。耐震等級、構造計算、地盤調査、基礎設計、制震装置、保証制度について、資料や数値をもとに説明してくれる会社を選びましょう。

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