- 間取り
- 2025.11.14
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そもそも生活動線とは?家事ラクと快適な暮らしの基本を知ろう
家づくりや間取り設計において「生活動線」は家事の効率化や日々の快適さに直結する、非常に重要な項目になります。こちらの記事では、「生活動線とは何か?」を解説し、あわせて「家事ラク」と「快適な暮らし」につながる動線設計のコツをご紹介します。
まず、家事ラクと快適な暮らしを実現するために基本となるのが、
キッチン・洗濯・掃除・片付けといった毎日の家事が、無駄なくスムーズに、そして効率的に行えるように設計された動線のことになります。
ここでは、家の中で住む人が行動する際の「移動の流れ・経路」を押さえておきましょう。
たとえば、
起床 → 洗面所 → キッチン → リビング
帰宅 → 玄関 → 手洗い → クローゼット → リビング
洗濯 → 干す → 取り込む → 畳む → 収納する
といった、人の動きと家の機能とのつながりを線でとらえることが、生活動線を向上させるためには大事になります。
【ランキング発表】みんなが後悔している間取りワースト5
さてここからは、これまで家を建てた家族が、後悔した間取りをワースト形式で見ていきましょう。
1位:毎日のことだからツラい!洗濯機と物干し場が遠い非効率な洗濯動線

「洗濯機が1階、物干し場を2階のベランダ設けてしまった・・」
「収納と洗濯エリアが完全に分離されている・・・」
など、生活動線の失敗ケースでよく耳にするのが、「洗濯動線の失敗」です。洗濯動線が悪い間取りは、日々の家事効率やストレスに大きく影響します。特に洗濯機と物干し場が遠いケースでは、洗濯という家事の「運ぶ・干す・取り込む・しまう」工程に多くの手間が発生するため、大変なストレスと負担になります。「洗濯動線」には十分注意しましょう。
2位:料理がはかどらない…キッチンと他の水回りが離れている間取り

「調理場を広く確保したせいで、コンロとシンクが離れて使いづらい・・・」
続いて、ワースト2位の後悔した間取りは「キッチン間取り」です。
毎日使うキッチンは、作業のしやすさが何よりも重要です。使いやすいキッチンの基本は、「ワークトライアングル」にあります。これは、冷蔵庫・シンク・コンロの3つの場所を結んだ三角形のことで、この3辺の合計が3.6m~6.0m程度だと、効率よく作業できると言われています。
また、収納も重要なポイントです。食器棚だけでなく、パントリー(食品庫)を設けると、買い置きの食品や普段使わない調理器具をすっきり収納できて非常に便利です。ゴミ箱を置くスペースも忘れずに計画しましょう。カウンター下に隠せるように設計すると、生活感が出ず、空間がすっきりします。
3位:家が散らかる原因に!使う場所と収納が離れている残念な収納計画

続いての後悔した間取りは、「収納」に関してです。
「収納がそもそも足りなかった・・・」
「生活していくうちに収納が足りなくなった・・・」
「収納場所のことを計画しておらず、片付けしにくい間取りに・・・」
スッキリと片付いた家を保つ秘訣は、収納の「量」だけでなく「場所」にあります。そして、その最適な場所を教えてくれるのが「動線」です。
ポイントは、よく使うモノを、それを使う場所の動線上に収納すること。これを「ついで収納」と呼びます。
例えば、キッチンの家事動線上にパントリーがあれば、料理の流れでサッと食材を取り出せます。洗面脱衣室の動線上にタオルや下着をしまえるリネン庫があれば、お風呂上がりの動きがスムーズです。玄関のおかえり動線上にクロークがあれば、上着をリビングまで持ち込むこともありません。
動線と収納をセットで考えることで、無理なく自然に片付けられる習慣が身につく、散らからない家が実現します。
4位:来客時に気まずい…玄関からリビングを通らないと個室に行けない間取り

家族間の円滑なコミュニケーションを図るために、リビングとつながる間取り。というと聞こえはいいですが、間取りの設計によっては後悔してしまうケースもあります。
「家族間のプライバシーが確保しにくい家」。例えば、すべての部屋がリビングを通らないとアクセスできない間取りは、お子さんが思春期になったときに暮らしにくさを感じる可能性があります。家族の繋がりは大切ですが、個々の時間も尊重できる設計が理想です。
また、リビングが全ての部屋とつながっている場合、来客時にもプライバシーが取りにくくなりますので注意が必要です。
5位:生活が不便すぎる!家具・家電と合わないコンセントの位置と数

「こんなところにコンセントがあればよかったのに・・・」
新築一戸建ての後悔するポイントの上位に挙がるのがコンセントの位置です。
とくに最近は、スマホやタブレット、ルンバや電気自動車など…
家庭内の電化製品がどんどん増えており、「どこにいくつ必要か?」を考えた上で間取りを設計しないと、生活がとても不便に感じてしまうことになります。
キッチンまわり、リビングまわり、ワークスペースや子供部屋など、日々の暮らしだけでなく、お子様の成長や今後のライフスタイルを考慮した上で、コンセントの配置と数にも気を配りましょう。
失敗しない!快適な生活動線を実現する5つの黄金ルール
これまでに一戸建てを建てた家族が口にする後悔で多いのが、生活動線に関するものです。「洗濯機から物干し場までが遠くて、毎日洗濯物を運ぶのが重労働…」「朝の忙しい時間に、洗面所で家族がぶつかってイライラする」「買い物から帰ってきても、キッチンまでが遠回りで行くのが面倒」といった声をとてもよく耳にします。
そこで、こちらでは後悔しないためのポイントをご紹介します。
秘訣1:家族の1日の動きを徹底的にヒアリングする

生活動線とは、文字通り「日常生活における家族みんなの動き」を指します。
特定の目的のためだけでなく、家の中で行われるすべての移動がこれに含まれます。
例えば、朝起きて寝室からトイレや洗面所へ行く動き、リビングでくつろいでいて飲み物を取りにキッチンへ行く動き、お子様が自分の部屋とリビングを往復する動きなど、これらすべてが生活動線です。
この生活動線を考える上でのポイントは、家族それぞれの動きがぶつからないようにすること。特に朝の忙しい時間帯は、玄関、洗面所、トイレなどが混雑しがちです。廊下の幅を少し広くしたり、通り抜けできる間取りにしたりする工夫で、日々の小さなストレスを大きく減らすことができます。
秘訣2:「ながら家事」を意識して水回りを中心に設計する

面倒な家事はどうしても後回しになりますよね。だからこそ、そもそも、何かをし「ながら」同時進行で終わらせてしまえるような間取りに設計することができれば、家事や生活の効率が格段に向上します。
例えば、キッチンなどの水回りをお部屋の中心に配置して、リビングとダイニングを見渡せる空間に設計すれば、家事をしながら子育てができ、子育てをしながら家事をこなすことができます。また、キッチンを中心にすれば、子供の勉強スペースをつなげたり、ワークスペースをつなげたりすることができ、仕事をしながらお子様を見守ることもできます。
秘訣3:「使う場所の近く」に収納を配置して散らからない家へ

スッキリと片付いた家を保つ秘訣は、収納の「量」だけでなく「場所」にあります。そして、その最適な場所を教えてくれるのが「動線」です。
ポイントは、よく使うモノを、それを使う場所の動線上に収納すること。これを「ついで収納」と呼びます。
例えば、キッチンの家事動線上にパントリーがあれば、料理の流れでサッと食材を取り出せます。洗面脱衣室の動線上にタオルや下着をしまえるリネン庫があれば、お風呂上がりの動きがスムーズです。玄関のおかえり動線上にクロークがあれば、上着をリビングまで持ち込むこともありません。
動線と収納をセットで考えることで、無理なく自然に片付けられる習慣が身につく、散らからない家が実現します。
秘訣4:10年後、20年後の家族の変化も考慮した柔軟な間取りを

家は、何十年と住み続ける大切な場所です。だからこそ、「今」の暮らしやすさだけでなく、10年後、20年後の家族の変化まで見据えて計画することが、将来の後悔を防ぐ鍵となります。
お子様の成長は嬉しいものですが、いずれは独立して家を巣立っていく日も来ます。その時に、使われなくなった子供部屋がただの物置になってしまうのは少し寂しいですよね。そこで重要になるのが「可変性」のある間取りです。
例えば、お子様が小さいうちは広い一部屋として使い、成長に合わせて間仕切り壁や収納家具で二部屋に分けられるように設計しておく。そして、お子様が独立した後は、再び間仕切りをなくして、ご夫婦の趣味の部屋や広いゲストルームとして活用する、といった工夫です。あらかじめドアやコンセントを二部屋分設置しておくのがポイント。こうした柔軟な発想で設計できるのも、注文住宅を手がけるハウスメーカーならではの強みです。
秘訣5:間取り図の上で人の動きをシミュレーションする

動線計画は非常に重要ですが、「どうやってシミュレーションすればいいの?」と思いますよね。一番簡単な方法は、間取り図の上で、ご自身の1日の動きを指でなぞってみることです。
「朝、起きて顔を洗って、着替えて、朝食を作って、ゴミ出しをして…」 「買い物から帰ってきて、食材を冷蔵庫に入れて、荷物を置いて…」
このように、具体的なシーンを思い浮かべながら動線を追うと、「あ、ここの移動は遠回りだな」「キッチンとダイニングは何度も行き来するな」といった発見があります。
ご家族一人ひとりの動きをシミュレーションしてみるのも効果的です。この一手間が、日々の暮らしの快適さを大きく左右します。理想のハウスメーカーは、こうしたシミュレーションを基に、より良い動線を提案してくれるはずです。
【要注意】専門家が教える!住んではいけない間取りの特徴
ではここからは、住宅の専門家が教える「NG間取り」について解説します。ハウスメーカーや住宅の設計者が語るNG間取りとはどのような間取りなのかを見ていきましょう。
家事動線が極端に長い「回遊性のない間取り」
最も避けるべきは「家事動線が極端に悪い間取り」です。毎日の家事が苦痛になってしまっては、せっかくのマイホームでの暮らしを楽しめません。
そしてその家事動線を悪くする原因の一つに「回遊性の悪さ」があります。「回遊性」を簡単にいうと、キッチンやリビング、ダイニングなど家事をする上で他の空間と行き来がスムーズかどうかを指します。
家事動線は、できるだけ短く、コンパクトにまとめるのが理想です。家事の負担が減ることで、時間に余裕が生まれ、暮らし全体の満足度が大きく向上します。共働きのご夫婦にとっては特に重要なポイントですね。
家族間のプライバシーが確保しにくい間取り
例えば、すべての部屋がリビングを通らないとアクセスできない間取りは、お子さんが思春期になったときに暮らしにくさを感じる可能性があります。家族の繋がりは大切ですが、個々の時間も尊重できる設計が理想です。親目線としては、どうしても家族とのコミュニケーションを重視した間取りや設計になりがちですが、いくら家族と言ってもプライバシーはとても重要な要素になるので注意が必要です。
将来の暮らしに対応できない柔軟性のない間取り
前段でも解説しましたが、住まいは、何十年と住み続ける大切な場所です。だからこそ、「今」の暮らしやすさだけでなく、10年後、20年後の家族の変化まで見据えて計画することが、将来の後悔を防ぐ鍵となります。お子様の成長だけでなく、ご自身やパートナーの仕事の変化、定年や転職など、これからのライフスタイルをじっくりと考えて、可変性のある柔軟な間取りづくりを心がけましょう。
この記事に関連したよくある質問
- そもそも「生活動線」って、具体的にどういう意味ですか?
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生活動線とは、文字通り「日常生活における家族みんなの動き」を指します。
特定の目的のためだけでなく、家の中で行われるすべての移動がこれに含まれます。
例えば、朝起きて寝室からトイレや洗面所へ行く動き、リビングでくつろいでいて飲み物を取りにキッチンへ行く動き、お子様が自分の部屋とリビングを往復する動きなど、これらすべてが生活動線です。
- 間取りで一番後悔しやすいのは、どの場所・ポイントですか?
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間取りにおいて後悔しやすいのは、生活動線や家事動線になります。特にキッチンまわりや洗濯まわりの動線や回路、収納などはとても多くの方が後悔しています。
- 注文住宅で生活動線の失敗を防ぐには、担当者に何を伝えればいいですか?
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「生活動線の失敗」を防ぐためには、担当者に、具体的な暮らしのイメージを伝えることがカギです。担当者はプロですが、あなたの生活スタイルまでは把握できません。つまり、「情報共有の質と量」が成功の分かれ道になります。
- 建売住宅を選ぶ際に、生活動線の良し悪しをチェックするポイントは?
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建売住宅の場合、すでに完成されたお家を見学することができるため、キッチンなどの家事動線や各部屋との距離、収納の量や収納の配置など、実際に暮らしたときのことを具体的にイメージしながらチェックしましょう。
- 理想の間取りを考えるとき、何から始めたら良いですか?
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理想の間取りを形にするためには、現在の家族の生活を振り返ることから始めましょう。 理想や希望をたくさん詰め込んだ間取りでも、実際に暮らしてみると不便に感じることがあります。 「何人で暮らすのか」「将来、家族が増える予定はあるか」を考えることで、必要な個室の数も自然と見えてくるでしょう。
- 風水的に良くないと言われる間取りは、本当に避けるべきなのでしょうか?
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風水的なNG間取り(例:鬼門の水回り、玄関正面の階段など)は確かに“運気が下がる”とされます。
ただし、実生活上の支障(動線・換気・衛生)がなければ、大きな問題にならないケースが多いです。
気になる場合は、インテリアや配置で十分に対策が可能です。無理に避けるより、実用性と家族の納得感を優先しましょう。