【IoT住宅の心臓部】HEMSとは?できること・メリット・費用を徹底解説|スマートな暮らしを実現

HEMS(ヘムス)=家庭のエネルギーを賢く管理するシステム

専門家

本ページでは以下のことがわかります。

スマートな暮らしとは?2025年最新のスマートハウスについて、今回は、「HEMS」について注目してご紹介します。「Iot住宅の心臓部であるHEMSとは?」「HEMSのメリットとは?」「HEMSの費用は?」など、「最新のHEMS」について詳しく徹底解説します。こちらの記事を見て、HEMSのポイントを押さえていきましょう。

  • ハウスメーカー
  • 2025.10.14

HEMSとは?IoT住宅における役割と関係性

そもそもHEMSとは何?

という方に向けて、まずはHEMSの役割やIot住宅における関係性などについて解説します。

HEMS(ヘムス)=家庭のエネルギーを賢く管理するシステム

HEMS(ヘムス)=家庭のエネルギーを賢く管理するシステム

HEMSとは、「Home Energy Management Service(ホーム エネルギー マネジメント システム)」の略称になります。お住まいをスマートハウス化する上で、とても大事な役割を担います。一言で言うと、家庭で使うエネルギーを節約するための管理(マネジメント)システムになります。家庭内で電気を使用している機器について、一定期間の使用量や稼働状況を把握し、電力使用の最適化を図ります。

ご家庭で使用している電気量を見える化し、無駄に使用している電気や不必要なエネルギーを制御することで、電気の無駄を省き、最適な電気量を常にコントロールしてくれます。

オンラインでエネルギーを一元管理できるHEMSに対応しているものであれば、スマートフォンなどの端末をリモコンとして使い、どこにいても機器のON/OFFなどの操作が可能になります。

例えば、電化製品のスイッチの消し忘れを端末で確認したとき、遠隔操作ですぐに切ることができます。また、帰る時間に合わせてお風呂の給湯を開始したり、帰宅の直前にエアコンをつけておいたりと、HEMSの機能は効率的かつ便利に活用できます。

また、HEMSには一定以上の電力を使用した場合や水道が使われたときなど、状況に応じて登録した連絡先にメールを送付する機能もあります。この機能を利用することで、家族の帰宅や、遠方に住む高齢者の生活状況などを確認することも可能です。

IoT住宅の「司令塔」として家電や設備をコントロール

IoT住宅の「司令塔」として家電や設備をコントロール

「スマートハウス」の住宅において最も基礎となる仕組み(技術)が、この「IoT」と「HEMS」になります。

「Iot」とは「Internet of Things」の略で、文字とおりIT(情報技術)を活用して、家の中にある照明器具、調理器具、冷暖房設備など電気やガスを使用する「モノ」をインターネットでつなぐことを指します。ただこれだけでは、政府の推進する「スマートハウス」の定義には不足しており、次に大事になるのが「HEMS」になります。

家庭内にある様々な機器や器具をコントロール・マネジメントし、効率的なエネルギー消費を実現するために「HEMS」は必要不可欠であり、まさに「司令塔」と呼べます。

最近では、データの経済的価値が高まる中、いかにデータ活用の高度化を進めるかがHEMSやスマートハウスの向上のカギにもなっています。

そのような中で、IoT利用によるデータ収集やAI活用による高度な解析システムの構築など、デジタル技術を応用した質の高い電力マネジメントを行うことで、電力使用の無駄を省き、電力使用の最適化を目指していきます。例えば、日中と夜間の電気使用量(例えばエアコンの使用量など)を解析し、誰もいない昼間と家族が集まる夜間で、電力の供給をコントロールするなど、最新のスマートハウスでは様々な電力消費の最適化が可能になります。

最近では、スマートスピーカーや自動で床を掃除するロボット、適正な温度管理を自動化するデバイスも開発、販売されています。さらにスマートハウスだけでなく、住まいやお部屋の一部をIOT化する「スマートホーム」では、新築住宅に限らず、賃貸にお住まいの一人暮らしの方でも導入可能で、できることも多くあります。

HEMSで実現できる5つのこと|エネルギー管理からセキュリティまで

ここまでHEMSについて専門的な解説になってしまいましたが、ここからは具体的にどんな暮らしが実現できるのかについてポイントを整理して解説します。

①電気やガスの使用量を「見える化」して節約意識を高める

①電気やガスの使用量を「見える化」して節約意識を高める

HEMSは、家庭の電気・ガスの使用量をリアルタイムでモニターに表示し、「見える化」することで節約意識を高めることができます。この「見える化」により、どの家電がどれだけエネルギーを使っているかを把握しやすくなり、無駄な使用に気づきやすくなるため、具体的な節電対策を立てやすくなるというメリットがあります。

②エアコンや照明などの家電を自動制御して無駄をなくす

②エアコンや照明などの家電を自動制御して無駄をなくす

HEMSは家電を自動で制御し、無駄をなくすことで省エネ・節約に貢献します。リアルタイムで電力消費を管理し、エアコンや照明などを自動で制御するシステムで、自己消費率を高め、外部電力購入を削減できます。特に夏場の暑い季節や冬場の寒い季節など、エアコンの使用量が多くなる時期において、自動制御システムは活躍します。

また最近では、昼間や夜間の照明の使用頻度などをAIにより解析し、不必要な照明を制御し、照明や家電の電気消費量を最適化してくれる機器も出てきています。

③太陽光発電や蓄電池と連携しエネルギーを最適に利用

③太陽光発電や蓄電池と連携しエネルギーを最適に利用

そしてHEMSは、太陽光発電や蓄電池と連携し、エネルギーの利用を最適化します。創エネと蓄エネを最適化し、住まい全体の省エネを自動的に行ってくれます。これにより、発電した電気の自家消費を最大化して電気代を削減したり、停電時や災害時の備えをしたりすることが可能になります。さらには、AIの学習機能を用いて自動で制御することで、手間なく省エネ・節電を実現できます。

④スマホで遠隔操作!外出先から家電を動かす

④スマホで遠隔操作!外出先から家電を動かす

さらに最新の住宅では、スマホで遠隔操作をすることも可能になります。インターネットを通じて、外出先からスマートフォンを使って照明、エアコン、玄関の鍵といった家の機器を操作できる機能があります。この技術は、家中の機器をネットワークで接続する「スマートハウス」や「スマートホーム」システムの一部で、利便性向上だけでなく、防犯や見守りにも役立ちます。

⑤玄関の施錠確認や宅配ボックス通知などセキュリティを強化

⑤玄関の施錠確認や宅配ボックス通知などセキュリティを強化

HEMSは、玄関の施錠確認や宅配ボックスの通知など、さまざまな機能を連携させてセキュリティを強化します。外出先からスマホで玄関の施錠状況を確認したり、鍵をかけ忘れた場合に遠隔操作で施錠したりできるほか、宅配ボックスへの荷物の到着や、インターホンへの来客などをアプリに通知できます。これらの機能を活用することで、自宅の状況をリアルタイムで把握し、侵入防止や防犯に役立てることが可能です。

HEMSを導入する4つの大きなメリット

HEMSを導入することで、住まいのエネルギー管理がよりスマートかつ効率的になります。こちらではHEMS導入による4つの大きなメリットをわかりやすくご紹介します。

メリット①:無理なく省エネ!電気代・ガス代を賢く節約

メリット①:無理なく省エネ!電気代・ガス代を賢く節約

家電や照明などの電力使用量をリアルタイムで可視化することにより、使用量が多い機器を把握し、無駄な電力使用を抑え、電気代やガス代を賢く節約することが可能になります。

節電によって月々の電気代を削減することができ、無理のない省エネな暮らしを実現してくれます。

メリット②:季節や時間に合わせて常に快適な居住空間を維持

メリット②:季節や時間に合わせて常に快適な居住空間を維持

HEMSは、家庭にある住宅設備や家電をネットワークで結ぶことにより、スマートフォンから遠隔操作を行えるようになります。

ネットワークに接続されたエアコンや照明などを遠隔操作できると「帰宅時間に合わせて冷暖房を入れる」「外出先から消し忘れた照明をオフにする」といった対応が可能になります。また、生活リズムに合わせた自動設定(起床時・就寝時など)により、快適な室温や照明環境を維持できるなど、快適で便利な居住空間の維持が可能で、スマートな暮らしを実現できます。

メリット③:外出先からの確認や操作で得られる安心・安全な暮らし

メリット③:外出先からの確認や操作で得られる安心・安全な暮らし

HEMSを外出先から操作することで、安心と安全が向上します。具体的には、エアコンの消し忘れをスマホでオフにしたり、帰宅前にお湯はりをして快適に過ごしたり、施錠状況を確認したりすることができます。また、照明や電動窓シャッターなども遠隔操作できるため、防犯対策や留守中の状況把握にも役立ちます。

メリット④:CO2排出量を削減し環境に貢献

メリット④:CO2排出量を削減し環境に貢献

これまで解説してきましたが、HEMSは、家庭のエネルギー使用量を「見える化」し、家電を最適に制御することで、CO2排出量を削減し、環境に貢献します。具体的には、電力消費を減らして節電につなげ、太陽光発電などの再生可能エネルギーの利用率を高めることで、化石燃料の使用を減らします。また、家電操作による無駄な電力消費の抑制も、CO2は削減のためには効果的です。

【費用はいくら?】HEMSの導入費用と月額料金の目安

ではここで、具体的にHEMSの導入費用はいくらかかるのか。月額費用は発生するのか。など気になるお金まわりについて見ていきましょう。

HEMSの初期費用は機器本体代5万円~15万円程度

HEMSの初期費用は機器本体代5万円~15万円程度

HEMSの導入費用は、機器本体(5万~15万円)と設置工事費(5万~15万円)を合わせて、合計で約15万~35万円程度が目安です。設置工事費に関しては、新築一戸建てや注文住宅の場合、施工料金に含まれているケースがほとんどになります。

月額料金は、無料の場合もあれば、利用するサービスによって数千円程度発生する場合もあります。最新のAIを用いたものや、別途アプリなどを使用する場合に追加費用がかかる場合もあります。

月額料金はいくら?無料サービスから有料プランまで様々

月額料金はいくら?無料サービスから有料プランまで様々

HEMSには本体の購入料金などの初期費用と、インターネットの固定回線の利用料やメンテナンス費用などのランニングコスト(月額費用)がかかります。

住宅メーカーのHEMSは多くの場合で初期費用が高い分、月額無料または数百円といったサービスが多く、無料期間サービスを設けているところもあります。

また、住宅メーカーのHEMSはほとんどの場合でオプション料金になっており、月額費用は無料から1000円程度までといったサービスが多いようです。HEMSを扱っているハウスメーカーは数多くあり、住宅メーカーによって様々ですので、費用に関しては住宅メーカーによく質問しておくことがよいでしょう。

HEMSの導入事例と今後の展望

ここまで解説してきたHEMSですが、HEMSがなぜ必要なのk。HEMSは今後の日本においてどのように取り扱われ展望していくのかについて考察します。

ZEH(ゼッチ)住宅にHEMSが欠かせない理由

ZEH(ゼッチ)住宅にHEMSが欠かせない理由

ZEH住宅においてHEMSが必須なのは、エネルギー使用の「見える化」と「自動制御」により、省エネ・創エネ・断熱性を効果的に管理・最大化するためです。具体的には、HEMSで家庭のエネルギー消費状況をリアルタイムに把握し、太陽光発電の状況と連動させながら無駄をなくす自動制御を行うことで、年間エネルギー消費量を正味ゼロにするZEHの目標達成に不可欠だからです。

AI連携でさらに進化!国の2030年全世帯普及目標とは

AI連携でさらに進化!国の2030年全世帯普及目標とは

そしてHEMSはなんと、国を上げて普及をしているものになります。具体的に、「2030年全世帯普及目標」とは、2030年までに日本の全世帯にHEMSを普及させるという、エネルギーの省エネ化を推進するための目標です。これは、HEMSを通じて家庭の電力消費を見える化・制御し、省エネ・節約につなげ、さらには日本のCO2排出量削減目標達成にも貢献することを目指したものです。

まとめ

さて今回の記事では、「HEMS」に関して基本的なことから、専門的なことなどについてご紹介してまいりましたが、いかがでしたでしょうか?

「HEMSとは?」

「HEMSで実現できること」

「HEMSのメリット」

について、解説してまいりました。

これから住宅の購入や建築を検討されている方は、是非こちらの記事を見て、お家づくりを進めてみてください。

きっと家づくりのお役に立てる工夫を学ぶことができると思います。

今後の家づくりの参考にされてみてください。

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この記事に関連したよくある質問

結局、HEMS(ヘムス)って住宅で何をしてくれるもの?

HEMSは、家庭のエネルギー消費を「見える化」して、無駄を減らすためのシステムです。具体的には、電気やガスなどの使用状況をモニター画面やスマートフォンで把握したり、家電を自動で制御したり、遠隔操作したりすることで、節電や光熱費の削減を支援します。

HEMSとIoTは何が違うの?どんな関係がある?

HEMSは「家庭のエネルギー管理システム」であり、IoTは「インターネットに接続されたあらゆるモノ」を指します。HEMSは、エネルギーの節約という特定の目的に特化した「スマートホームデバイス」の一種であり、IoT技術を利用して実現されます。

HEMSの設置は法律で義務化されていますか?

HEMSの設置は、法律で一般的に義務化されていませんが、特定のケースでは導入が必須になる場合があります。例えば、東京都が大手住宅メーカーに対して新築住宅への太陽光発電設備の設置を義務化する方針を示した際に、HEMSがその有効活用に不可欠なシステムとして位置づけられました。また、ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス(ZEH)を建てる際には、先進的な建材に加え、HEMSの導入が必須条件となっています。

HEMSを導入すると月額料金は必ずかかりますか?

月額費用は無料から1000円程度までといったサービスが多いようです。HEMSを扱っているハウスメーカーは数多くあり、住宅メーカーによって様々ですので、費用に関しては住宅メーカーによく質問しておくことがよいでしょう。

HEMSを導入すれば、本当に電気代は安くなるの?

HEMSを導入すれば、電気代が安くなる可能性はありますが、「ユーザーの節電行動とHEMSの活用方法に左右される」ため、必ず安くなるとは限りません。

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