- 住宅設備
- 2025.7.9
Contents
全館空調と気密の重要性

引用元:一条工務店
そもそも全館空調とは、家全体を一括で空調管理するシステムです。家の中の空気を循環させて家全体を温めたり冷やしたりする冷暖システムのことを指します。
設置してある部屋のみを冷暖するエアコンと異なり、家の中を隅々まで一定の温度に保てます。
各部屋に個別エアコンを設置するのではなく、1つの空調機で家全体を冷暖房し、換気も行うことが一般的です。
そして、全館空調の性能を最大限に発揮するためには、住宅の気密性が非常に重要になります。気密性が低いと、外気の影響を受けやすくなり、冷暖房の効率低下や電気代の増加、室温のムラが発生しやすくなります。そのため、全館空調導入を検討する場合には、高気密住宅であることが理想的です。
また気密性の高い住宅は、梅雨の時期だけでなく、夏は涼しく冬はあたたかい暮らしも実現可能で、一年を通して過ごしやすい住まいになります。そのため、気密性の高いお家と全館空調の組み合わせは非常に重要になります。
では次に、気密性について解説します。
気密性の高い住宅とは?
では具体的に、「気密性の高い住宅」とはどのような住宅なのかについて解説します。
気密性能の指標「C値」

引用元:一条工務店
住宅の気密性を測る上で、「C値」という値があります。C値とは、住宅の隙間がどの程度あるかを示す指標になります。建物の延床面積(平方メートル)に対して、建物全体に存在する隙間の面積(平方センチメートル)を表した値になります。C値が低いほど気密性が高い住宅と言えます。全館空調を導入する場合、C値が1.0㎠/㎡以下、できれば0.5㎠/㎡以下が望ましいと言われます。
C値は、住宅の断熱性能と並んで、快適な住環境を維持し、省エネに貢献するために重要な指標となります。C値が高い(=隙間が多い)と、室内の温かい空気が外へ逃げやすく、外の冷たい空気が室内に入り込みやすいため、暖房・冷房の効率が下がり、光熱費が増加します。また梅雨の時期では、外部から湿度の高いじめじめとした空気も入り込むことになります。
C値が小さいほど、隙間が少ない状態を指し、室温が安定しやすく、結露も発生しにくくなります。
高気密住宅のメリット

高気密住宅は、外気温の影響を受けにくく、快適な室温維持、省エネ効果と光熱費の節約、結露防止などのメリットがあります。
壁の内側や床下などに、断熱材や防湿シート、気密テープなどを使用した住宅になります。主な特徴は、住宅内の隙間がしっかりと埋められているため、外気が入りにくい点です。気密性が高いことから、暖房などであたためられた空気を室内に留め、冷たい外気をシャットアウトできます。
気密性が高い住宅は、外気温だけでなく湿度も遮断してくれます。梅雨の時期や雨の日でも住宅内は乾燥しているため、室内干しで洗濯物を乾かせます。エアコンや空調などを使用すれば自然な空気の流れをつくれるため、生乾きなどの心配がありません。また、洗濯物に花粉や黄砂などの付着を避けたい場合にも効果的です。
具体的に、気密性が高いと住宅や暮らしにおいて、どのようなメリットがあるかをまとめて見ていきましょう。
・冷暖房効率の向上
外気の影響を抑えることで、冷暖房効率が上がり、電気代を抑えられます。
・室温の安定
外気の影響を受けにくいため、室温が安定し、快適な住環境を維持できます。
・結露防止
気密性が高まることで、壁内部への湿気侵入を防ぎ、結露発生を抑制できます。
・換気との連携
気密性が高い住宅では、空気の流れを正確に管理し、適切な換気を行いやすくなります。
・省エネ効果
冷暖房効率が向上し、外気の影響を抑えることで、省エネ効果も期待できます。
全館空調を検討する際の注意点
家全体を一括で空調管理する「全館空調」ですが、ここからは、全館空調を導入するにあたっての注意点や確認しておきたいことについてご紹介します。
気密性と断熱性の確認

引用元:一条工務店
先ほど、全館空調を取り入れる上で、「気密性」の重要性をお伝えしましたが、全館空調を導入する際は、住宅の気密性だけでなく、断熱性も同時に高めることが重要になります。
断熱性とは、熱の伝導をどれだけ抑えるかを表す性能のことです。熱は高温側から低温側に移動する性質があるため、断熱性が高いほど熱が外部に逃げにくく、また外部から熱が侵入しにくい状態になります。
より詳しく説明すると、断熱性は、住宅の壁、窓、床、屋根など、外気温の影響をどれだけ受けにくいか、また、室内の温度をどれだけ一定に保てるかを示す指標になります。
全館空調システムを導入する上で、住宅の性能、特に気密性と断熱性の優劣は、非常に設備効率に影響が出るため、注意しておきましょう。
C値の確認
気密の重要性と重複しますが、家の中の空気を循環させて家全体を温めたり冷やしたりコントロールしてくれる全館空調システムは、家の隙間が多い気密の低い住宅では、その性能や効率がとても低下します。そのため、住宅のC値を事前に確認し、全館空調に適しているかどうかを見極めましょう。
専門家への相談

当たり前のことにはなりますが、全館空調の導入を検討している場合は、ハウスメーカーや工務店など専門家に相談し、住宅の気密性・断熱性、全館空調のシステムについて十分な情報収集を行いましょう。ハウスメーカーや住宅展示場などでは、しっかりとした説明を聞くことができますし、相談しやすい環境が整っています。
また、こちらの動画を運営している「まるっと住まいの窓口」では、気軽に専門家に相談することも可能です。より詳しい説明を聞きたい方は、是非、概要欄からホームページを御覧ください。
まとめ
さてこちらの記事では「梅雨を快適に過ごすための全館空調や住宅の気密性」についてご紹介してまいりましたが、いかがでしたでしょうか?
じめじめとした梅雨の時期を快適に過ごすためのポイント、
・全館空調
・気密性、断熱性の高いお家に住む
について大きく解説してまいりました。
これから住宅の購入や建築を検討されている方は、是非こちらの記事を見て、お家づくりを進めてみてください。
きっと家づくりのお役に立てる工夫を学ぶことができると思います。
今後の家づくりの参考にされてみてください。
***
まるっと住まいの窓口 では
理想の家を実現するために、
オンライン住宅相談で住宅のプロに中立の立場で直接相談ができます!
また、埼玉、茨城、群馬、栃木エリアで
モデルハウスを100軒以上、家の専門家を100人以上ご紹介しています!
ぜひご活用ください。
この記事に関連したよくある質問
- 全館空調はやめたほうがいい理由は?
-
導入コストが高い場合や、住宅の気密性・断熱性が不十分で効果を得にくい場合があります。
メンテナンス費用も考慮して、ライフスタイルや予算に合うか検討しましょう。
- 全館空調でゴキブリは出ますか?
-
基本的には気密性が高いほど虫の侵入は少なくなりますが、排水口や換気口などの経路から侵入する可能性はゼロではありません。
定期的な点検や清掃、建物の隙間をしっかりと塞ぐなどの対策が大切です。
- 全館空調とエアコンのどちらがよいですか?
-
全館空調:家中どこでも一定の室温を保ちやすく、省エネ効果も得やすい。
エアコン:部屋ごとに温度調整や管理ができるため、設置コストが抑えられる。
住宅の広さや間取り、ライフスタイル、予算などを総合的に考慮して選びましょう。
- 全館空調は何年くらい持ちますか?
-
一般的には10~15年程度が目安とされます。
定期的なフィルター掃除やメンテナンスを適切に行うことで、より長く快適に使用できる可能性があります。