木造住宅は地震に強い?その理由と耐震性を高める方法

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  • 地震に強い家・耐震
  • 2025.6.18

木造住宅が地震に強い理由とは?

現在の耐震基準や建築基準法をクリアして耐震等級やしっかりとした耐震性を確保するのは当たり前ですが、木造枠組壁工法(ツーバイフォー(2×4)工法)の、パネルを組み立てて6面で支える構造はモノコック構造とも呼ばれ、飛行機や新幹線、F1マシンなどにも採用されているほど強固な構造なのです。そのため耐震性に木造軸組工法よりは優れていると言えます。

木造軸組工法も耐力壁や柱、梁の配置で十分地震に強い家をつくれます。例えばリビングの庭側に大きな開口部を備える場合、耐力壁を開口部の周囲に設けるなど、きちんと構造計算をして耐力壁などをバランス良く配置することが大切です。

また、最近発生した「能登半島地震」や「熊本地震」など、日本で起きる地震は縦揺れであったり横揺れであったり、震度やマグニチュードの大きさも異なります。そのため、いくら木造枠組壁工法(2×4工法)のほうが耐震性有利と言っても油断はできません。「木造軸組工法」でも「木造枠組壁工法(2×4)工法)」でも、しっかりとした耐震性を確保することをおすすめします。

建築基準法に基づく「新耐震基準」

建築基準法に基づく「新耐震基準」

引用元:https://school.stephouse.jp/article/p13241/

新耐震基準とは、1981年6月1日に施行された建築基準法に基づく耐震基準です。震度6強~7程度の地震でも建物が倒壊しないことを基準としており、旧耐震基準と比べて耐震性に関する規定が厳格化されています。

1950年に建築基準法が施行された際に制定された耐震基準は、大地震が発生するたびに見直され、これまで1981年と2000年に大きな改正が行われました。

2000年には、主に木造住宅の耐震性向上を目的に、新耐震基準をさらに強化した現行の耐震基準(2000年基準)が設けられています。

木造住宅の耐震性を高める方法

工法の選択が重要|在来工法とツーバイフォー工法

木造軸組工法(在来工法)

木造軸組工法(在来工法)

引用元:https://suumo.jp/article/oyakudachi/oyaku/chumon/c_knowhow/mokuzo_jutaku/

日本で昔から用いてきた伝統の木工法を発達・発展させた工法で、別名で「在来工法」とも呼ばれています。柱と梁によって建物を支えるのが特徴です。一般的に木造ときいてイメージするのは、おそらくこの工法でしょう。

コンクリートの基礎に柱を立て、そこに梁を組み合わせてフレーム状の骨組みをつくり、壁や屋根などを取り付けて建築します。「線で支える」という表現がされることもあります。柱と梁でつくられる枠の中に「筋交い」と呼ばれるX字状の建材を入れることで補強し、「耐力壁」を設けます。この耐力壁を適切に配置することで、高耐震・高耐久を実現することもできます。

各部材の接合部は金物を使って接合されており、この金物の種類や質によって、耐震性や耐久性に差が出てきます。

建築の現場には木材の取り扱いに長けた経験者が必要で、施工する職人の腕によって完成の質にバラつきが出ることがあります。

木造枠組工法(2×4、2×6)

木造枠組工法(2×4、2×6)

https://suumo.jp/article/oyakudachi/oyaku/chumon/c_knowhow/mokuzo_jutaku/ :SUUMOより

一方で木造枠組壁工法は、戦後に北米から輸入されたツーバイフォー(2×4)工法が代表的です。木製パネルと角材(2インチ×4インチ※)でつくったパネルで壁や床、天井という面をつくり、この面を組み立ててできる6面体の構造をベースに家を建てます。輸入住宅やログハウスなども基本的に面の構成なので、木造枠組壁工法の一種といえます。主に低層集合住宅などに用いられるコンクリートの壁式構造も同じ考え方です。

角材のサイズによって、ツーバイシックス(2インチ×6インチ)、ツーバイエイト(2インチ×8インチ)、ツーバイテン(2インチ×10インチ)などの工法があります

接合部の強化と耐震対策

接合部の強化と耐震対策

引用元:https://www.cleverlyhome.com/kurashi/point/834

コンクリートの基礎に柱を立て、そこに梁を組み合わせてフレーム状の骨組みをつくり、壁や屋根などを取り付けて建築します。「線で支える」という表現がされることもあります。柱と梁でつくられる枠の中に「筋交い」と呼ばれるX字状の建材を入れることで補強し、「耐力壁」を設けます。この耐力壁を適切に配置することで、高耐震・高耐久を実現することもできます。

各部材の接合部は金物を使って接合されており、この金物の種類や質によって、耐震性や耐久性に差が出てきます。

耐震性能を高めるハイブリッド工法

耐震性能を高めるハイブリッド工法

ハイブリッド工法とは、各メーカーや各工務店によっても様々な工法で、異なる構造や素材の特性を活かして、より高い耐震性能を実現する建築工法のことを指します。例えば、木造住宅✕鉄骨、木造住宅✕RC、木造軸組工法(在来工法)と木造枠組壁(2×4)工法など、それぞれの工法のいい部分を取り入れたものを「ハイブリット工法」と呼びます。

制震装置を設置する

制震装置を設置する

制震は、繰り返しの揺れにも強いため、余震による建物の被害も受けにくくできますし、台風などの強風による揺れにも強いのが特徴です。

地盤の揺れは建物に直接伝わってしまいますが、ダンパーなどの制震装置が揺れを熱エネルギーに転換して、空気中に放出してくれます。

その結果、揺れが小さくなり、建物を倒壊しにくくします。

耐震等級とは?木造住宅の耐震性を数値でチェック

耐震等級の3段階とは?

耐震等級の3段階とは?

引用元:https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/content/001586565.pdf

等級1:建築基準法を満たす最低限の耐震性能。

等級2: 等級1の1.25倍の強度で、災害時の避難所基準。

等級3: 等級1の1.5倍の強度で、最高ランクの耐震性能。

耐震等級3の木造住宅を選ぶメリット

耐震等級3の木造住宅を選ぶメリット

引用元:https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/content/001710995.pdf

耐震等級3の木造住宅を選ぶメリットは、大地震による建物へのダメージを最小限に抑え、被災後も安心して住み続けられることです。また、地震保険料や住宅ローンの金利の優遇を受けることもできます。資産価値の維持としても期待できます。

2016年に発生した熊本地震では、耐震等級1相当の木造建築物の中に、倒壊や大破したものが見られました。 建築基準法で定められた耐震基準は、一度の大地震に対する安全性は考慮されていますが、繰り返し発生する強い揺れは想定されていません。そのため、可能な限り耐震等級が高い住宅を選ぶことをおすすめします。

よくある質問|木造住宅の地震耐性について

地震に強いのは木造住宅ですか?

必ずしも木造住宅が地震に強いとは言い切れませんが、最近の各ハウスメーカーの技術やしっかりと耐震等級を確保したお家であれば、木造住宅においても、地震の揺れを軽減することができます。純粋に何と比較するのか?にはなりますが、木造住宅よりもRC住宅のほうが一般的には、耐震性や防火性、防風性においては高いと言われています。

木造住宅は震度いくつまで耐えられますか?

木造住宅は震度いくつまで耐えられますか?

新耐震基準に基づく住宅は震度6強~7に耐えられる設計と言われています。熊本の地震においては、耐震等級3の木造建築物には大きな損傷はなく、大部分は無被害だったと報告されています。耐震等級1の1.5倍の耐震性能を確保した耐震等級3は、繰り返しの地震に対しても十分な余裕を持って建物を守ることができます。

また、最近発生した「能登半島地震」や「熊本地震」など、日本で起きる地震は縦揺れであったり横揺れであったり、震度やマグニチュードの大きさも異なります。耐震等級3の住宅においては、あらゆる大地震に想定し大きな被害を受けないように設計されています。

木造と鉄骨はどちらが地震に強い?

木造と鉄骨はどちらが地震に強い?

木造とは

木造住宅や木造の工法において木造住宅は大きく「木造軸組工法」と「木造枠組壁工法(ツーバイフォー(2×4)工法)」の2種類に分けられます。「軸組工法は点を結ぶように構造物を造っていく工法で、枠組壁工法(ツーバイフォー(2×4)工法)は面を組み立てて構造物を造る工法です。前者は日本の伝統工法によるもので日本古来の「在来工法」とも呼ばれ、日本における建物構造のスタンダードとなっています。

後者は北米由来の構造になり、一戸建てはもちろん、現在では4階建てまでのアパートにも採用されています。

鉄骨造とは

柱や梁など骨組みに鉄骨を使用した構造のことで、粘り強さがあり、軽量でしなやか。S造には、高層のビルやマンションなど、大規模建築物に用いる重量鉄骨造と、2~3階建ての一般住宅や小規模店舗などで用いられる、軽量鉄骨造の2種類があります。

これまでは、一般的に鉄骨造やRC構造の住まいのほうが耐震性に優れていると言われていましたが、建築基準法における現行の耐震基準では、木造、鉄骨造、鉄筋コンクリート造といった構造種別に関係なく、また同じ木造住宅でも在来軸組、ツーバイフォー、木質パネルといった工法に関係なく、震度6強~7に達する程度の大規模地震でも倒壊・崩壊するおそれのない建築物とすることを定めています。

木造で地震に強いハウスメーカーは?

木造で地震に強いハウスメーカーは?

地震に強い木造住宅を建てるには、各ハウスメーカー独自の耐震技術に注目しましょう。別コラム記事の「地震に強い家 ハウルメーカー」にて、主ハウスメーカーの耐震技術について紹介しております。

・ダイワハウスの「xevoΣ(ジーヴォ シグマ)」

・セキスイハイムの業界初の複合型耐震理論(ハイブリッド耐震)

・ヘーベルハウスのハイパワード制震ALC構造

など、どのハウスメーカーにおいても、基本的には耐震等級3を標準取得するように設計されています。気になる方は是非、お近くのモデルハウス展示場にて実際のお家をご確認ください。

まとめ|木造住宅で安心の地震対策を

木造住宅において、安心の地震対策を施すためには「耐震等級」が非常に重要になります。また、地震に強い家を提供するハウスメーカーにおいても、その耐震性や技術力、過去の実績なども様々です。自分のライフスタイルや地域の特性に合った最適な地震対策を検討しましょう。

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