- 土地選び
- 2025.11.14
Contents
- なぜ?家購入で後悔する原因、第1位は「土地選び」という現実
- あなたは大丈夫?土地選びでよくある失敗・後悔あるある事例集
- 【最重要】プロが警告!これに当てはまったらやめたほうがいい土地の特徴10選
- 特徴1:ハザードマップで「浸水想定区域」や「土砂災害警戒区域」に指定されている
- 特徴2:過去の土地利用が沼・田んぼ・埋立地など、地盤が軟弱な可能性がある
- 特徴3:接道義務を果たしておらず「再建築不可」となっている
- 特徴4:「建築条件」が厳しく、希望の間取りやデザインが実現できない
- 特徴5:日当たりや風通しがシミュレーション上、極端に悪い
- 特徴6:騒音・悪臭・振動などを発生させる嫌悪施設が近くにある
- 特徴7:水道・ガスなどのライフラインが引き込まれておらず、高額な工事費が必要
- 特徴8:隣地との境界が不明確でトラブルの火種を抱えている
- 特徴9:擁壁(ようへき)にひび割れがあり、安全性が確保されていない
- 特徴10:相場より不自然に安い「ワケあり」の土地
- 知らないと大損!土地購入に潜む「見えない落とし穴」
- この記事に関連したよくある質問
なぜ?家購入で後悔する原因、第1位は「土地選び」という現実

家づくりにおいて最も後悔が多いのは「土地選び」という現実があります。これは意外に思えるかもしれませんが、実際に住宅購入経験者のアンケートでも「土地選びの失敗」が最上位にくるケースが多いです。
ではなぜ、土地選びにおいて失敗が生まれるのか。
・周辺環境・立地を甘く見た後悔
・日当たり・風通しが悪いことに後から気づく
・地盤・災害リスクを見逃した
・将来的な周辺開発や環境変化の見通し不足
・土地に対して建物の希望が実現できなかった
など代表的な例を見ても様々な失敗があります。
ではここからは、土地選びを失敗しないために、土地選びにおける失敗や後悔の事例を見ていきましょう。
あなたは大丈夫?土地選びでよくある失敗・後悔あるある事例集
一生に一度の大きな買い物でもある夢のマイホーム。だからこそ「絶対に失敗したくない」ですよね。実際にあった先輩たちの失敗事例をご紹介します。先輩たちの後悔から学ぶことで、失敗しない土地選びを進めましょう。
【生活環境編】スーパーが遠い、日当たり最悪…住んでから気づく日常の不便さ

「土地を選んだときは気にならなかったが、建ててみたら、日当たりが悪かった。」
「周辺環境を事前に確認してなかったせいで、スーパーまで車で20分もかかる。」
など、土地選びでよくある失敗として、実際に住み始めてから気づく「生活環境」の失敗があります。実際に暮らしていく上で、「買い物の便利さ」や「日当たり」はとても重要な項目になりますので注意が必要です。後半部分で、後悔しないための土地選びを解説しますので、対策はそちらをご覧ください。
【災害・地盤編】ハザードマップは見ていたのに…見えないリスクと地震への不安

「土砂災害警戒区域など、災害リスクの高い土地を選んでしまった」
「ハザードマップで浸水深が深いエリアだと分かった。」
最近、とても多くご質問をいただくのが、「災害に適した土地とはどのような土地なのか?」というご意見をとても多くいただきます。
自分や家族の命を守るための、重要なチェックポイントについて解説します。
①ハザードマップを必ず確認する
まず、何よりも先にやるべきことがこれです。国土交通省の「重ねるハザードマップ」というサイトで、洪水や土砂災害、津波などのリスクを誰でも簡単に確認できます。
「浸水深3.0m」と表示される地域は、1階部分が完全に水没する可能性があるということです。この動画を見終わったら、まずご自身の気になるエリアをチェックしてみてください。
②地形を確認する
ハザードマップとあわせて、土地の地形も重要です。なるべく、川の近くや、周りよりも土地が低い「低地」「窪地」は避け、少しでも標高が高い場所や「高台」を選ぶのが理想です。これはGoogleマップの地形表示機能などでも確認できます。
【建築制限編】理想の家が建てられない!?土地の法律と形状の罠

「変形地と呼ばれる土地だったので、想像していた以上の土地造成費用がかかり、建物の費用を削らなければなりませんでした」
「安い土地だと思ったら、地盤改良や造成工事が必要で思い通りの建物にできなかった
という失敗談も多くあります。
そもそも、道路との高低差があったり、地面がフカフカだったりする土地には、そのまま家は建てられません。家を建てるために、土地を平らにしたり、地盤を固くしたりする「造成(ぞうせい)工事」が必要になります。
この造成費用、土地の状態によっては数百万円以上かかることもあり、まさに予算オーバーの大きな原因になります。
また「変形地」や「狭小地」、「土地の用途」などによっては、住宅をそのまま土地の上に建てることができないことがあります。
建築基準法や国の法律によって細かに定められており、住宅を建てるためには、土地を新たに「造成」することが必要になります。
あらかじめ、購入する予定の土地や選ぶ予定の土地の形状が問題ないのか。追加費用がかからないのかをしっかりと確認しておきましょう。
【近隣トラブル編】境界線や地域のルール…お隣さんとの人間関係の悩み

「閑静な住宅街として有名なエリアの土地を購入したものの、実際に住んでみると、隣の家との距離が近く、窓を開けると生活音が筒抜け状態でした」
「目の前がゴミ収集場所になっており、カラス被害や臭いに悩まされることになってしまいました」
など、土地そのものに問題がなくても、近隣や周囲の環境が原因で住み心地が悪くなってしまうケースは少なくありません。
土地選びにおいて、境界線、地域のルール、お隣さんとの人間関係に関する悩みは、住み始めてからの快適さに直結する非常に重要な問題です。
実際に購入予定エリアの現地へ足を運び、自分の目と耳で確認することが大切です。できれば、ご近所の方に挨拶をして、地域の雰囲気について少し話を聞いてみるのも非常に有効な方法です。
【資金計画編】土地にお金をかけすぎて建物が質素になる悲劇

「どうしても希望のエリアに住みたくて、予算オーバーの土地を購入。その結果、家本体にかけられる予算が大幅に削られてしまった・・・」
という声も多くあります。
「希望エリアに住みたかった」「広すぎる土地を購入してしまった」
など、信じられない方もいるかもしれませんが、土地にお金をかけすぎて建物に予算を回せなくなるケースが多くあります。
土地選びでよくあるのが、土地の値段だけに集中してしまい、家を建てる費用やその後の諸費用まで含めた「総予算」で考えられていないケースです。
家づくりは「土地代+建物代+諸費用」のトータルバランスがとても重要です。
まずは、自分たちが家づくり全体でいくらまで出せるのかをしっかりと把握しましょう。その上で、土地と建物にそれぞれいくらずつ予算を配分するのか、ハウスメーカーの担当者と一緒に資金計画を立てることが、妥協のない家づくりへの第一歩となります。
【最重要】プロが警告!これに当てはまったらやめたほうがいい土地の特徴10選
ここからは、失敗しない土地選びにおいて、プロが警告している「やめたほうがいい土地」を特徴を紹介します。
これらの「避けたい土地の特徴10選」は、土地探しを成功させるための「プロからの警告」として非常に役立ちます。
それぞれの特徴について、なぜ避けるべきか、そして具体的なチェック方法を解説します。
特徴1:ハザードマップで「浸水想定区域」や「土砂災害警戒区域」に指定されている

生命と財産に関わる最大のリスクになる可能性があります。災害時に家屋の倒壊・流出リスクがあり、資産価値も低くなります。絶対に避けるようにしましょう。
各自治体のハザードマップを必ず確認し、購入を検討している土地がどの区域に該当するかをチェックするようにしましょう。
特徴2:過去の土地利用が沼・田んぼ・埋立地など、地盤が軟弱な可能性がある

地盤が弱いと、家を建てる際に「地盤改良工事」が必須となり、数百万円単位の追加費用が発生します。また、家が傾くような不同沈下のリスクも高まります。
不動産会社に「過去の土地利用履歴」を確認します。また、周辺の古地図や地名に「沼」「池」「谷」「田」など水に関する文字がないかを参考にするのもいいでしょう。
無料で土地調査を行ってくれるケースもあるので、よく調べましょう。
特徴3:接道義務を果たしておらず「再建築不可」となっている

建築基準法上の「幅4m以上の道路に2m以上接している」という接道義務を満たさない土地は、今ある建物を壊すと二度と新しく建てられません。将来の売却や建て替えが極めて困難になります。
ほとんどの場合は、販売図面に「再建築不可」と記載されていることが多いですが、販売会社によってはあえて表記していないケースもありますので注意が必要です。
特徴4:「建築条件」が厳しく、希望の間取りやデザインが実現できない

「建築条件付き土地」の場合、指定されたハウスメーカーや工務店で建てる必要があり、間取りや仕様の自由度が制限される場合もあります。また、建築プランに不満があっても断れないケースもあります。
条件付き土地や宅地を選ぶ場合は、あらかじめどの程度の制限があるのか。フルオーダーが可能なのかをしっかりと担当者に相談しておきましょう。
特徴5:日当たりや風通しがシミュレーション上、極端に悪い

採光・通風は間取りで解決できない住環境の基本です。日当たりが悪いと家全体がジメジメし、カビや結露の原因となります。
検討地の周辺環境(隣家の高さ、建物の位置)を考慮し、時間帯や季節を変えて現地を確認することをおすすめします。また日照シミュレーションをした上で結果が良くなければ、別の土地を選択することも検討しましょう。
特徴6:騒音・悪臭・振動などを発生させる嫌悪施設が近くにある

住み始めてから後悔する生活ストレスの典型です。例えば工場、幹線道路、鉄道、ごみ処理場、大規模なパチンコ店など、ストレスになりうる施設が近くにある土地は避けたほうがいいでしょう。
特徴7:水道・ガスなどのライフラインが引き込まれておらず、高額な工事費が必要

上下水道や都市ガスが敷地の前面道路まで来ていない場合、引き込み工事(数十万円〜数百万円)が自己負担となります。高額な費用になる場合もあるため、事前確認が必須になります。
不動産会社に、「公道のどこまで」ライフラインが整備されているかを具体的に確認しましょう。特に「前面道路に本管があるか」が重要です。
特徴8:隣地との境界が不明確でトラブルの火種を抱えている

引用元:SUUMOより
境界線は民事上の問題であり、トラブルになると訴訟などの法的な争いに発展し、解決に時間と費用がかかる場合があります。境界が曖昧な土地や近隣との境がはっきりしない土地を選ぶのは得策ではありません。
どうしても仕方ない場合は、「境界杭」の有無を確認し、もし不明確な場合は、売主に土地家屋調査士による境界確定測量を依頼してもらい、隣地所有者との間で合意を得た状態で引き渡してもらいましょう。
特徴9:擁壁(ようへき)にひび割れがあり、安全性が確保されていない

擁壁(ようへき)とは、高低差のある土地などで土砂が崩れるのを防ぐために設けられる、壁状の構造物です。高低差のある土地の擁壁は、土砂崩れを防ぐ重要な構造物です。ひび割れや傾きがある場合、崩落の危険性があるほか、修繕に莫大な費用がかかります。
擁壁がある土地では、擁壁にひび割れ、ふくらみ、水抜き穴からの水の出方などがないかを目視でチェックし、築造時期や「検査済証」の有無を不動産会社に必ず確認するようにしましょう。
特徴10:相場より不自然に安い「ワケあり」の土地

「価格が安い=何かしらの重大な欠陥がある」可能性が高いです。多くの場合、上記に挙げた「再建築不可」「地盤改良費」「過去の事件・事故(心理的瑕疵)」といった理由が隠されています。
「なぜ安いのか」を不動産会社に徹底的に質問し、その理由を書面で残してもらいます。曖昧な説明で納得せず、専門家(建築士など)にリスクを評価してもらいましょう。
知らないと大損!土地購入に潜む「見えない落とし穴」
土地購入は高額な取引であるため、「見えない落とし穴」を事前に知っておくことが、大損を防ぐための鍵となります。
3つの大きなテーマについて、購入者が特に注意すべきポイントを解説します。
「建築条件付き土地」のメリットと、実は怖いデメリット

「建築条件付き土地」とは、土地の売買契約から一定期間内(通常3ヶ月程度)に、指定されたハウスメーカーや工務店との間で建物の請負契約を結ぶことを条件に販売される土地のことです。
・メリット
土地と建物のセットで検討しやすい
土地の購入と同時に、建物のプランも進められるため、スケジュール管理がしやすい。
トータル予算が組みやすい
土地の価格と、指定された建築会社の建物の価格帯がある程度予測できるため、資金計画を立てやすい。
・デメリット
間取り・仕様の自由度が低い
契約期間が短く、実質的に「注文住宅」ではなく「セミオーダー住宅」になるケースが多いです。希望の間取りやデザインが実現できない可能性があります。
建築費が高い可能性がある
競合する他社と比較できないため、建物の価格が相場よりも割高になる可能性があります。
契約解除のリスク
期間内に建築契約がまとまらなければ、土地の売買契約も解除(白紙)となる場合があります。
土地代金以外に数十万~数百万?必ずかかる諸費用とは

土地の価格(物件価格)以外にも、必ず数十万から数百万円の諸費用が必要です。これを見落とすと、建物にかけられる予算が減ってしまうので注意しましょう。
・不動産取得税
土地と建物を取得した際に一度だけかかる税金。軽減措置がある場合もありますが、予算計上は必須です。
・登記費用
土地の所有権移転登記や、住宅ローンのための抵当権設定登記にかかる費用(司法書士への報酬を含む)。
・仲介手数料
不動産仲介業者に支払う報酬。通常は「土地代金×3%+6万円+消費税」が上限です。
・固定資産税、都市計画税の清算金
引き渡し日を境に、売主と買主で日割り計算して清算します。
・印紙税
売買契約書に貼付する印紙代。契約金額に応じて変わります。
・ローン関連費用
住宅ローン保証料、事務手数料、火災保険料など、ローンを組む場合に必須となります。
急かされて契約はNG!「手付金」の本当の意味とリスク

手付金は、売買契約の締結時に買主から売主へ支払われるお金で、通常は売買代金の5%~10%**程度です。
・手付金の本当の意味(解約の権利)
手付金には、主に「解約手付」としての性質があります。これは、契約締結後に「気が変わった」などの理由で契約を解除したい場合のルールを定めたものです。
買主からの解約(手付流し):
買主が一方的に契約を解除する場合、支払った**手付金を放棄(手付流し)**することで解約できます。
売主からの解約(手付倍返し):
売主が一方的に契約を解除する場合、買主から受け取った**手付金の倍額を買主に支払う(手付倍返し)**ことで解約できます。
・リスクと対策
安易な契約は避ける:
手付金を払って契約した後に「やっぱり間取りが気に入らない」「建築費が予算オーバーだ」となっても、手付金は戻ってきません。契約前にすべての条件(特に建築費用の概算や間取りの方向性)を詰めておく必要があります。
融資特約の確認:
住宅ローンが組めなかった場合を想定し、「ローン特約(融資特約)」が付いているか確認しましょう。この特約があれば、ローン審査に落ちた場合は手付金が全額返金され、契約を白紙撤回できます。
この記事に関連したよくある質問
- 良い土地が見つかりました。すぐに契約した方がいいですか?
-
焦ってすぐに契約するのは絶対に避けてください。土地は高額な買い物であり、契約後に判明するリスクで大損する可能性があるからです。
「すぐに契約すべきではない」のがプロの警告です。契約前に行うべき最終確認と調査があるので、まずはしっかりと調査を行いましょう。
- 完璧な土地が見つかりません。どこで妥協すれば後悔しませんか?
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完璧な土地は、予算や立地、広さなど、すべての条件を満たすことは極めて稀で、ほぼ存在しないと言っていいでしょう。どこかで妥協は必要になります。
間取りで後悔しないために「価値観の明確化」が大切だったように、土地探しにおいても**「絶対に譲れない条件(MUST)」と「妥協できる条件(WANT)」**を明確にしておくことが、後悔しない妥協に繋がります。
- 不動産会社の「掘り出し物ですよ」という言葉は信じても大丈夫?
-
不動産会社の「掘り出し物ですよ」という言葉は、鵜呑みにせず、必ず裏付けの確認が必要です。
この言葉は、営業トークの一つであることが多く、本当に市場価値に対して割安な「掘り出し物」である可能性もあれば、**価格が安い裏に隠れた大きな欠陥(落とし穴)**がある可能性もあるからです。
- 自分で土地の相場を調べる方法はありますか?
-
自分で土地の相場を調べることは、不動産会社の価格提示が妥当であるかを判断し、交渉を進める上で非常に重要です。
公的なデータや実際の取引事例を確認することで、客観的な価格の目安を把握できます。
最近は、ネットを使って最新の土地相場を調べることもできます。
国土交通省の「不動産情報ライブラリ」、公的価格指標の確認(公示地価・路線価)、不動産ポータルサイト(販売価格の比較)などを調べてみましょう。
- 旗竿地や変形地は、やっぱり避けるべきなのでしょうか?
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旗竿地や変形地は、必ずしも避けるべき土地ではありません。一般的な整形地(正方形や長方形)に比べてデメリットがあるのは事実ですが、それを上回る価格的なメリットがあり、設計の工夫次第で快適に暮らせる可能性を秘めています。
購入するかどうかは、デメリットを許容できるか、そして建築費用が予算内に収まるかを判断することが重要です。